12連勝中の藤井六段の最新対局。29連勝を達成した昨年、竜王戦本戦トーナメントでの藤井六段の対局をめぐる報道は記憶に新しいが、5組からの本戦入りには優勝が絶対条件で、まだまだ先は長い。対する阿部八段は竜王戦挑戦経験もある実力者。初対戦となる藤井六段に対し、関西所属の先輩棋士として貫禄を示せるか。
A級順位戦最終局
今期のA級順位戦は、最終戦を前に最大6者によるプレーオフの可能性が残る大混戦。今年の「将棋界の一番長い一日」は、全局が挑戦か残留争いに絡むこととなった。
3敗の久保王将と豊島八段は自力ながら、4敗の稲葉八段、羽生竜王(最終戦は抜け番)、広瀬八段、佐藤九段も虎視眈々とチャンスを伺っている。特に、前半戦は5連勝で挑戦をほぼ手中に収めたかにも見えた豊島八段にとっては、今年度の好成績を結果につなげるためにも挑戦権が欲しいところで、広瀬八段との直接対決は正念場だ。
例年より1枠多い降級争いは、一人は既に屋敷九段が2勝7敗で決まっており、残る2枠を危ない順に行方八段、三浦九段、深浦九段、渡辺棋王が争う展開。渡辺棋王対三浦九段の一局は、三浦九段は負ければ即降級、渡辺棋王も自身が敗れて深浦九段が勝てば降級となる、首の皮を掛けた一戦となる。