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名人戦第5局:封じ手は大本命の▲4六角、羽生竜王には集中モードの寝ぐせ

第76期名人戦七番勝負第5局、佐藤天彦名人vs羽生善治竜王の対局は、愛知県名古屋市にて二日目を迎えています。


出典:Abema TV

先手番の4連勝で迎えた第5局は、後手番の佐藤名人が得意の横歩取りを選択。対する羽生竜王はさほど時間を使うことなく▲3六飛と引く旧型の展開を選びました。立会人が青野照市九段だということや、最近の公式戦の傾向などからは青野流が有力かと思われましたが、佐藤名人の研究が最も行き届いているであろう戦型を避けたのかも知れません。

佐藤名人が△2六歩と突いた局面で封じ手を迎えましたが、この1手前までは先手玉の位置が5八ではなく6八であれば3月に行われたA級順位戦最終局の広瀬vs豊島戦と同じ局面でした。その将棋では豊島八段は△2六歩に代えて△3五歩と動きましたが、広瀬八段の快勝に終わっています。ただし、△2六歩と△3五歩のいずれを後手が選択しても先手玉の位置は2筋の戦場から遠い6八の方が勝っている可能性が高いので、佐藤名人としては5八玉型だからこそこの局面へ誘導したという側面もあるかも知れません。

類似形の前例が名人戦の挑戦争いに絡んだ大一番だったということもあり、封じ手の局面は両対局者も事前にある程度は考えたことがあるはずです。その上でこの局面を迎えている以上は形勢は互角なのでしょうが、個人的にはどちらかと言えば後手を持ってみたい気がします。

羽生竜王の封じ手は大方の予想通り▲4六角でした。△2五桂以下の攻めを牽制する自然な一手ですが、△2一飛と引かれると後手の飛車と持ち駒の角に対して先手の大駒が窮屈な印象が否めません。以下は▲2三歩、△同飛、▲2四歩、△2一飛、▲3五歩と銀を取りに行く手順が見えますが、△4五銀、▲同桂、△同桂と進むと、先手が銀桂交換の駒得でも後手からは△5四桂や△3七歩など攻めの手段が豊富で、先手が神経を使う展開に見えます。

2日目の羽生竜王には、20代の頃はトレードマークだった見事な寝ぐせが付いています。やはりタイトル戦二日目の朝ともなると将棋以外のことは目に入らないはずで、本局に懸ける集中度の表れなのかも知れません。勝者が名人位に大きく近づく山場の第5局を制するのは、果たしてどちらでしょうか。

出典:Abema TV

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