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王位戦第1局は意外なスローペースに、菅井王位の封じ手と2日目の展開を徹底予想

第59期王位戦七番勝負第1局、菅井竜也王位vs豊島将之八段の対局は、菅井王位が35手目を封じて1日目が終了しました。


出典:Abema TV

先手の菅井王位の中飛車に対し、豊島八段が左右の銀を繰り出す急戦含みの立ち上がりとなりました。序盤は早指しで飛ばすことが多い両対局者ですが、本局は一手一手に時間を惜しみなく使うスローペースとなりました。

菅井王位の▲5四歩に対し、豊島八段が2時間を超える大長考の末に△4二金寄と指し、菅井王位が1時間半の長考を返して封じ手を迎えました。▲5四歩で次の▲7五歩の仕掛けを見せた手に対し、△4二金寄はその手を受け切れると主張した上で、△5二飛~△5五歩~△5四飛を見せて相手の動きを催促する最も強気な一手です。一気に決戦となる可能性を秘めた局面だけに、△4二金寄を指す側も指された側も大長考となるのは自然ではあります。

封じ手は▲7五歩を予想します。この瞬間に大決戦に持ち込めれば△4二金寄を緩手に出来そうなだけに、まずは最優先で読んでみたい仕掛けではあります。以下△8四飛(△同歩は▲4五歩、△7六歩にあっさり▲4四歩と取り、△7七歩成、▲同桂は駒損ながら玉の堅さ、5四歩と4四歩の存在、次の▲7四歩の厳しさなどを総合すると先手十分でしょう)、▲7四歩、△同飛に▲7五銀が狙いの一手で、▲6六角や▲5三歩成を絡めてかなり攻めが繋がりそうです。この先も比較的変化の余地が少なそうな手順が予想され、個人的には先手がやや指せる気がします。

▲7五歩以外では先に▲4五歩と突く手もありますが、△同銀、▲7五歩に△5六歩と打たれる手が気になるところで、▲7四歩に△7六歩~△6五桂の変化は先ほどの順と比べると先手がやや不満でしょう。▲7五歩以下の大決戦を菅井王位が自信なしと判断されれば、▲3六歩で▲3七桂~▲4五歩と銀を追う手を見せて△5二飛~△5五歩を牽制することになりそうですが、玉形がやや弱体化することや、先述の▲7五歩以下の手順で十分戦えそうなだけに、やや指しづらい気がします。

1日目は比較的遅い進行となりましたが、2日目は一転して午前中から激しい殴り合いとなる可能性が高そうです。封じ手前の大長考合戦で読み勝っているのは果たしてどちらでしょうか。

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