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王位戦第4局は豊島棋聖が優勢、菅井王位の封じ手と2日目の展開を徹底予想

第59期王位戦七番勝負第4局、菅井竜也王位vs豊島将之棋聖の対局は、菅井王位が68手目を封じて1日目が終了しました。


出典:Abema TV

先手の豊島棋聖がゴキゲン中飛車を牽制する出だしを見せたのに対し、菅井王位は四間飛車を選択しました。その後、居飛車穴熊を匂わせる豊島棋聖に対し、後手が飛車を3筋に振り直して石田流を目指すという、20年以上前に見られたような懐かしい戦型へ進みました。

午前12時過ぎの局面。先手は当初の予定通り▲9八香から穴熊に囲う手も有力ですが、振り飛車側は後手番の上に9筋を突き超し、さらに飛車を4筋から3筋へ振り戻したことで通常よりやや手が遅れています。そこで豊島棋聖は▲4六銀と繰り出し、△5三角に▲2四歩、△同歩、▲6八角と積極的に仕掛けました。部分的には広く知られた攻め筋で、当然菅井王位も想定されていたと思われますが、この後の展開を見ると結果的に豊島棋聖の判断は正しかったようです。

▲7七角に対して菅井王位が68手目を封じました。この局面で既に30分以上考えられていましたが、定刻の18時になっても菅井王位の考慮は4分ほど続きました。

封じ手は△5二歩を予想します。後手は5三とを放置すると次に▲6四歩~▲6三歩が厳しく、一方で玉形に差があるため△5六歩や△4九角のような攻め合いでも勝機がなさそうなので、当面は粘りに出るしかなさそうです。△5二歩に対しては、▲5四とと引いてと金の手厚さを主張するか、あっさり▲同と、△同金と後手陣を乱してから▲1一角成として駒得や駒の働きの差を主張する手のいずれも考えられそうです。

形勢は既に豊島棋聖が優勢だと思います。駒の働きは後手の3筋の金銀が遊んでいるため大差、駒の損得は5三のと金が大きく実質的に先手の駒得、玉形も先手に軍配が上がるなど、後手は主張点を見つけることも難しい情勢です。先手の▲4六銀からの仕掛けが機敏だったこともありますが、ここまでは菅井王位の角道を止める向かい飛車に対して豊島棋聖が居飛車穴熊で圧勝した第2局を彷彿とさせる展開となってしまっています。菅井王位としては2日目に相当な底力を発揮しない限り、後手番で2局続けての完敗という、番勝負を戦う上では非常に嫌な流れに陥ってしまいそうです。

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