先手番の深浦九段の快勝となった第1局から約2週間後に行われる大一番。深浦九段と広瀬八段は共にタイトル獲得経験を持つA級棋士ですが、タイトル戦の舞台からは意外にも広瀬八段が2015年以降、深浦九段はその広瀬八段に王位を奪われた2010年以降遠ざかっており、久々に訪れたチャンスに否が応でも気合が入るところでしょう。特に今年の竜王戦は羽生竜王にとっては通算100期目のタイトルか、実に28年ぶり（！）の無冠転落が懸かった大勝負になることもあり、挑戦権争いの行方にも大きな注目が集まります。
過去の対戦成績は広瀬八段の10勝5敗です。
順位戦3連勝スタートを切った藤井七段と、2勝1敗の青野九段の対戦。藤井七段は竜王戦や王座戦では大一番で手痛い黒星を喫したものの、それでも今年度は16勝3敗（6連勝中）と相変わらず高勝率を誇り、順位戦でもデビュー以来の無敗記録を維持したいところです。対する青野九段はA級通算11期を誇る大ベテラン。直近では愛弟子の八代六段が新人王戦で藤井七段に惜敗しましたが、本局で往年の底力を発揮して弟子の雪辱を果たすことが出来るでしょうか。
両者は本局が公式戦初対局となります。
両者2勝2敗で迎える第5局。七番勝負も佳境を迎えていますが、第4局までは全て先手番が勝利しています。特に先週行われた第4局は豊島棋聖の快勝に終わっただけに、初防衛を目指す菅井王位としては第5局で先手番を先に落とすと非常に苦しくなります。一方の豊島棋聖も、後手番では菅井王位の十八番であるゴキゲン中飛車にここまでは苦戦を強いられており、本局にどのような対策をぶつけるかが注目されます。
過去の対戦成績は菅井王位の7勝4敗です。
準決勝最後の1枠を懸けた一戦。藤井七段にとっては2期目の参加ですが、七段昇段を果たしたため来期以降は出場権を失うことが決まっており、今年度が新人王獲得の最後のチャンスとなります。対戦相手の近藤五段はデビュー以来毎年7割を超える勝率を記録している若手実力者ですが、藤井七段には約1年前に19連勝目となる白星を献上した上、今年は非公式戦（Abema TVトーナメント）でも2連敗を喫しており、内心ではリベンジに燃えているはずです。
過去の対戦成績は藤井七段の1勝0敗です。