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豊島八段がプレーオフ3連勝、名人挑戦まで残り2勝

第76期A級順位戦プレーオフ第3局は129手で豊島将之八段が広瀬章人八段に勝利しました。羽生善治竜王との第4局は17日に行われます。


豊島八段の先手番で、角換わり腰掛銀から激しい乱打戦に発展します。

両者20手以上もほぼ前進する手のみを指し続けて迎えた局面。お互いの乱れた玉形と敵陣に迫る垂れ歩が激戦を物語っています。

広瀬八段は△3二玉と上がりましたが、▲5一角、△3三角、▲同角成、△同玉、▲5一角、△3四玉、▲2四角成と進むと、結果的に先手の攻めを加速させてしまったようです。

後手玉は非常に怖い形ですが、△3二玉に代えて△6七歩成、▲同銀、△6五香とさらに踏み込んでいれば、難解ながら後手に勝機の多そうな形勢でした。▲1一角や▲3四桂にはそこで△3二玉とすれば、後手玉はまだ容易に捕まりません。

十数手進んで後手が反撃に転じた局面。ここで▲2四飛と走ったのが強手で、△6七香成、▲2一飛成と一直線の斬り合いの末に豊島八段が寄せ切りました。先手玉は危険なようでも右辺が広く詰みは無く、後手玉は粘りが利かない格好です。

相手の手を全て殺すようなプレーオフ第1,2局の勝ち方とは打って変わり、一気の攻めで第3局を勝ち切った豊島八段。プレーオフは残り2連勝、並行して行われている王将戦もまだ2連勝が必要ですが、超過密日程の中で確実に勢いを味方に付けてきています。

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