本日行われているC級1組順位戦最終局で、残り1枠の昇級枠を争う8勝1敗の永瀬拓矢七段と佐々木勇気六段。永瀬七段は勝てば自力昇級、佐々木勇気六段は自身が勝ち、永瀬七段が敗れた場合のみ昇級となります。また、既に千田翔太六段は全勝で昇級を決めており、永瀬七段と佐々木六段が共に敗れて4番手の高崎一生六段が勝つと、高崎六段が昇級します。
永瀬七段と佐々木六段は幼少期からしのぎを削ってきたライバルで、お互いをナガセ、ユーキと呼び合う仲です。
2歳年上の永瀬七段が1年早くプロ入りを果たしますが、2013年のC級2組順位戦では佐々木六段が8勝2敗で昇級、永瀬七段は同星ながら僅か順位1枚の差で昇級を逃すなど、切磋琢磨する関係が続いて来ました。
2015年に永瀬七段が電王戦で将棋ソフトと戦った際には、終了後に一早く研究会を再開したのが佐々木六段だったようです。
この時永瀬七段が語った、「練習でのソフトのとの勝率は1割もありませんでしたが、本番でその1割を引くことは可能だと思いました」という名言を、佐々木六段は将棋番組などで何度も引用しています。
また、佐々木六段は2017年に藤井聡太六段の29連勝を止めて一躍脚光を浴びましたが、永瀬七段はその約半年前にAbema TVの「炎の七番勝負」で藤井六段に唯一勝利しています。当時の舞台裏をお二人が詳しく語ったことはありませんが、両者の関係性を考えると、永瀬七段から何らかの藤井六段対策に関するアドバイスが送られた可能性は高そうです。
共に7割近い通算勝率を誇り、若手トップクラスの実力者である永瀬七段と佐々木六段ですが、今期昇級出来るのは1名のみです。勝利の女神はどちらへ微笑むのでしょうか。