第45回将棋大賞選考会が2日、東京将棋会館で行われ、最優秀棋士賞には羽生善治竜王が選ばれました。昨年度は王位と王座を失冠したものの、棋聖防衛と竜王奪取、名人挑戦獲得などの成績が評価されました。同賞の受賞は2年ぶり22回目となります。
報道各社の将棋担当記者による投票によって決定する選考会。最優秀棋士賞は藤井聡太六段との一騎打ちの末、9票対4票で羽生竜王が選ばれました。
また、記録4部門で1位となった藤井聡太六段は、新人賞と共に「最優秀棋士賞に極めて近い」という意味で特別賞も贈られました。
その他、優秀棋士賞には菅井竜也王位、敢闘賞には豊島将之八段が、それぞれ初めて選ばれています。
羽生竜王のコメント:
山あり谷ありの1年でしたが、このように評価をして頂きとても名誉に感じています。昨今の将棋界の尋常ではないスピードで変化を続けているので、これを励みにフットワーク軽く前進を続けたいと思います。
藤井六段のコメント:
特別賞に選んでいただき、ありがとうございます。これからも将棋の可能性を追求し、棋力をあげるべく一層精進していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
最優秀棋士賞から新人賞までは、予想通りの結果となりました。特別賞は引退する名棋士に贈られることが通例だったため今年は予想していませんでしたが、藤井六段の類まれなる成績に対しても贈られることに異論はないでしょう。
名局賞は竜王戦第4局でした。羽生竜王の寄せが光った好局ではありましたが、タイトル戦という舞台の大きさを重視するかどうかで今年は大きく意見が分かれそうな将棋が多く、選考は難航したと思われます。
その他、升田幸三賞は横歩取りに大きな変革をもたらしたことが評価され、佐々木六段の勇気流と、そのベースとなった青野九段の青野流が同時受賞しました。過去に後手番の横歩取りを得意としていた棋士の中で、佐藤天彦名人のように最近では採用率を減らしている棋士が見られるのも、勇気流の流行と無関係ではないでしょう。
最後に、昨年までは将棋ファンにしか興味を持たれなかった将棋大賞ですが、今年は報道各社が一斉に羽生竜王の最優秀棋士賞と藤井六段の新人賞・特別賞を報じていました。これも藤井六段によるブームの影響で、普及への貢献度は特別賞の枠を大きく超えていますね。
ちなみに、こちらが管理人の事前予想でした: