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久保王将が渡辺棋王に勝利、流れを引き寄せる華麗な捌きと勝負術

第31期竜王戦1組出場者決定戦、渡辺明棋王対久保利明王将の対戦は、93手で久保王将が勝利しました。


先手の久保王将の中飛車に対し、渡辺棋王は左美濃へ。渡辺棋王の中飛車対策と言えば、昨年の竜王戦第3局のように居飛車穴熊が定番でしたが、本局は早い段階で△3二銀と上がっており、新たな研究の存在を感じさせます。

その一端と思われるのがこの局面での△7二飛。以下▲8八飛、△7四歩、▲6六角、△6四歩、▲8六歩、△5四歩から決戦となり、難しいながら後手としてはまずまずの分かれでしょうか。

次の△8七歩成が受からず、先手が忙しい中で猛攻を仕掛けています。ここで△5三金と引き、▲5四銀、△同金、▲同飛には△4三銀打、▲6四飛、△5二飛と、▲5五角を防いで徹底して8八角の捌きを封じていれば、後手がリードを奪えていました。本譜は△5七歩、▲同飛、△8七歩成と斬り合ったため、▲5四飛、△8八と、▲4四銀と進み、先手はやや攻めが細いながらさほど駒損することなく先に飛車を成り込める展開になり、勝負形になりました。

先手は駒損ながら大駒が後手玉の急所を睨んでおり、形勢は難解です。渡辺棋王は△2五歩と突きましたが、▲1八玉と早逃げしたのが妙手でした。手の流れとしては△2六歩と取り込まなければおかしいですが、▲3三桂成、△同銀に、△2六歩の取り込みによって開いた空間に▲2五桂と打つ手が厳しく後手が勝てません。本譜はやむなく△7八竜と指しましたが、この交換により先手玉が絶対に詰まない形になり、▲3三桂成から殺到した久保王将が勝利を収めました。

△2五歩では△3一銀打と埋めて息長く指せば、駒得の後手には桂を入手した後に△3五桂と打つ楽しみもあり、激戦が続いていたようです。しかし、この局面では先手は後手玉に食らいつくしかないのに対し、攻めも受けも見える後手は方針が悩ましいところで、実戦的には先手が勝ちやすい将棋なのかも知れません。やや苦しそうな局面から巧みにそのような展開に持ち込んだ久保王将の捌きは、いつもながら見事でした。

出場者決定戦にはもったいない好カードを制した久保王将は、次戦で決勝トーナメント進出を懸けて丸山忠久九段と屋敷伸之九段の勝者と対戦します。

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