第49期新人王戦、藤井聡太七段vs八代弥六段の対局が本日行われています。
新人王戦は後にタイトルを獲得した棋士の多くが優勝経験を持つ、若手棋士の登竜門と言うべき棋戦で、六段以下かつ26歳以下の棋士、及び一部の女流棋士、奨励会三段、アマチュアの赤旗名人によって争われます。昨年度はベスト8で敗退した藤井七段にとっては2度目の参加となりますが、トーナメント開幕後に七段に昇段したため(開幕時はまだ四段でした)、優勝するには今年が最後のチャンスとなっています。
対戦相手の八代六段は、今年2月に藤井七段が優勝した朝日杯の昨年の優勝者で、それ以前も毎年のように安定した好成績を残して来た若手有望株です。同世代で親交が深い高見泰地叡王のタイトル獲得には大いに刺激を受けたと思われ、その影響もあってか叡王戦七番勝負開幕後の成績は9勝2敗と尻上がりに調子を上げて来ています。新人王戦でも難敵を撃破しての上位進出を虎視眈々と狙っていることでしょう。
9時45分頃に藤井七段が先に入室して上座へ座り、ほどなく八代六段も入室しました。藤井七段は「段位で上回る先輩」と対局する際の自身のルーティーン通り、王将を手に取ると一度自陣の駒台付近に置き、一礼してから再び手に取って5一の定位置に並べました。
振り駒の結果、八代六段の先手と決まりました。藤井七段は8割を優に超える通算勝率を残されていますが、プロ入り後に喫した15敗のうち実に11敗は後手番でのもので、平均的な棋士以上に先後の差が影響しやすいようです。直近の竜王戦や王座戦の大勝負で喫した痛い敗戦も後手番だったこともあり、勢いのある八代六段を後手番で下して流れを変えたいところでしょう。