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将棋ソフトのお勧め活用法

2017年に行われた第2期電王戦でPONANZAが佐藤天彦叡王(当時)に2連勝し、将棋ソフトの実力がトップ棋士をも凌駕したことが証明されましたが、PONANZAをも凌ぐ実力の将棋ソフトが現在は無料で公開されています。棋力に応じた将棋ソフトの活用法を考えてみました。


初心者

将棋ソフトは使い方次第で棋力向上に非常に有効です。実際に多くのプロ棋士が将棋ソフトを取り入れたことで、プロ棋界では雁木が矢倉に代わって大流行するなど、数年前からは想像も出来ないほど激変しました。

プロ棋士の対局をネットなどで観戦する際、将棋ソフトを検討モードにして棋譜を並べていけば、リアルタイムで形勢の推移を見られます。また、実際の進行以外に自分が指して見たかった手があれば、その手に対する評価を将棋ソフトに問うことが出来ます。

これらはネイティブの発音を聞くことで英会話を覚えるようなもので、将棋ソフトを使いながら観戦するのは初心者には非常におすすめです。評価値が大きく動くような疑問手が指された瞬間の対戦相手の表情や、解説者の反応などを見るのも、観戦の楽しみを増やしてくれそうです。

アマ初段

しかし、将棋ソフトを使いながら観戦することは、推理小説の犯人を知ってしまうようなもので、どちらが勝つか分からない白熱の終盤戦を堪能したい!という方には味気なく感じられるかも知れません。

また、棋力向上という観点からは、ある程度棋力が上がってくると先に挙げたようなメリットよりも、自力で読みながら観戦する方が良い訓練になると思います。ある程度英語が聞き取れるようになっても、自分の発音が向上しなければ、外国の方と会話をすることは難しいですよね。

そのため、リアルタイムでの将棋ソフトの使用はアマ初段前後の方にはあまりお勧めしません。使用するのであれば、対局を見終わった後で改めてソフトで並べて、観戦中の自分の読みと比べてみるのがいいでしょう。時には解説者や感想戦での対局者の感想とも全く違う見解がソフトに示されて、推理小説のエピローグで突然真犯人が明かされるようなサプライズが待っていることもあります。

アマ高段以上

アマ高段者以上の方は、自分の棋譜をソフトに検討させることも有効です。道場や大会などで一日に数局指して、その棋譜や読み筋を帰宅後まで記憶していられるような棋力があれば、ソフトが示す読み筋からその意図を理解し、参考にすることが出来るでしょう。

会心の差し回しだと思っていた手順の穴を指摘されることもあれば、逆転負けを喫した将棋で如何に悪手を連発していたかダメ出しを食らうこともあります。しかし、そのような厳しい練習の先に、次の対局で新たに見えてくる妙手もあるはずです。

将棋ソフトとの対局

最後に、じっくり考えながら将棋を指したいけど道場へ通う時間がない、という忙しい方には、将棋ソフトに駒落ちで教わることもお勧めです。アプリ等で手軽に人間と指すことは出来ますが、その殆どは非常に短い持ち時間しか選べません。10秒将棋のような対局は陸上で言えば30メートルダッシュのようなもので、反射神経や直感力が鍛えられる一方、本質的な読みの力の比重は低くなります。自分が納得いくまで考えながら指したいけど、あまり時間がない、という方には、将棋ソフトは絶好のスパーリングパートナーとなってくれます。平手の実戦への応用を考えると、2枚落ち以下のハンデ(大体アマ2段以上)が望ましいと思います。

ちなみに管理人は、elmo様に飛車落ちで教わっています。棋力向上に役立っているのは間違いないと思いますが、角落ちでは全く歯が立たないので、それをソフトとの対戦結果から実感することが難しいのが唯一の欠点でしょうか(^-^;。

将棋ソフトとの付き合い方は人それぞれですが、使い方次第で非常に優秀なツールになることは間違いありません。プロ棋士や自分の棋譜の見方を大きく変えてくれる存在なので、ぜひダウンロードしましょう!

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