多くの棋士や奨励会員が取り入れている勉強法の一つが、「研究会」と呼ばれる多人数での実戦形式の練習対局です。力が拮抗したメンバーが4人以上の偶数人数で集まり、一日に数局ずつ対局します。持ち時間は20分~1時間程度が主流で、中には様々な研究会を掛け持ちして月に10回以上行っている棋士もいるようです。また、2人で行う研究会は「vs」と呼ばれます。
棋士の研究会事情の多くは外部から伺い知れませんが、一部はネット中継などでの棋士の発言から明らかにされています。4月15日現在、もしくは過去に行われていた棋士の研究会のメンバーを、管理人が知る限り挙げました。
今期の王位戦挑戦者決定リーグでは、「羽生研」の4人全員が紅組に名を連ねていることが話題になっていますが、このようにメンバー同士で対局が近い時はどちらかが他の棋士に代打を頼むか、研究会自体を延期することが多いようです。
井上一門は井上九段、菅井王位、稲葉八段が揃って藤井聡太六段に勝っていますが(それぞれ1勝0敗)、もう一人の井上門下の棋士である船江六段も竜王戦5組準決勝で藤井六段と対戦することが決まっています。「井上一門研」では対藤井戦へ向けて何らかのアドバイスが送られるのか、などと想像するのもファンとしては楽しいですね。
深浦九段と永瀬七段は昨年春に藤井六段と「炎の七番勝負」で対戦した後に、藤井六段と将棋を指すために名古屋まで出向いたそうです。「杉本一門研」へゲスト参加したケースも含めると、名古屋を訪れた棋士は他にもいると思われます。やはり棋士同士で評価が高い若手には研究会の誘いも多いようです。