昨日まで幕張メッセで開催されていたニコニコ超会議2018にて、「千田翔太六段の超ハンデ将棋」という斬新な企画が行われました。
通常の将棋ではありえない手筋が次々と飛び出す中、棋士の強さと推理力や対応力の高さを見せつける非常にスリリングな展開となりました。
対局のルールは、「ついたて将棋」と呼ばれるゲームにハンデを加えたものです。ついたて将棋は以下のように行われます。
棋力が近い者同士が戦うと、通常の将棋の棋力に加え、指し手から相手の駒の配置を推測し合うポーカーのような要素が重要となる特殊なゲームになります。
今回の「超ハンデ将棋」では、千田六段にはついたて将棋のルールが適用され、対戦相手は全ての駒が見える通常の将棋として行われました。
剣道の試合で一方だけ目隠しをされたような物凄いハンデですが、初心者とプロが行うとかなりの熱戦となりました。
千田六段が大駒をタダで取られたり、タダで取れる大駒を取らないといった珍事が起こったかと思えば、相手の指し手が見えているかのようなファインプレーが偶然発生したりと、目が離せない展開となりました。
両対局者はヘッドフォンを装着して解説の声が聞こえない状態で行われましたが、対局中に千田六段が解説する読み筋の的確さにも驚かされます。ゲームのコツとしては、相手の指し手の傾向から棋力を推測し、その後の指し手の予測の参考にすることが重要のようです。さらに突き詰めると、初心者の指し手を見た審判(塚田恵梨花女流1級)の表情からも情報が得られたかも知れません。
棋士の強さを分かりやすく表現するパフォーマンスとしては、目隠し将棋(脳内将棋)が有名ですが、超ハンデ将棋はある意味それ以上の凄みを感じさせました。今回のルールでは対局相手が初心者でないと勝負になりませんが、「情報格差によりハンデをつける」というコンセプトには完全情報ゲームである通常の将棋にはない面白さがあります。改良次第では幅広い棋力のアマチュアがプロといい勝負になるようなバリエーションが考えられそうで、是非また見てみたい企画でした。
棋士の凄さを一般の方に最も分かりやすく体現するパフォーマンスと言えば、目隠し将棋(脳内将棋)でしょう。盤駒を使わず、お互いに指し手の符号を言い合うだけで平均100手以上かかる1局の将棋を指し切る能力は、アマチュアでは全国大会クラスの実力がなければまず... トップ棋士の超絶パフォーマンス、伝説の「目隠し将棋」特集 - 将棋を100倍楽しむ! |