渡辺棋王が2勝1敗と防衛に王手を掛けている棋王戦。第3局までは中盤で差がつく将棋が続いており、両者の読みはあまりかみ合っていない印象の今シリーズ。渡辺棋王としては最終局の前に決めてしまいたいところだが、今年度は後手番での戦いに大苦戦しており(7勝16敗)、本局で何かしらの新機軸を打ち出せるだろうか。永瀬七段は第3局で完敗を喫した2日後にはB級2組昇級を果たしており、精神的には完全にリセット出来ているはず。大量注文を続けているバナナの本数にも注目。
過去の対戦成績は渡辺棋王の7勝2敗。
史上初の6者プレーオフとなった今期A級順位戦もついに挑戦者決定戦。両者とも今期前半は不本意な成績だったものの、後半以降に尻上がりに調子を上げてきている。特に羽生竜王は前局でプレーオフを3連勝で勝ち上がってきた豊島八段をねじ伏せており、100期目のタイトル獲得が懸かる名人挑戦が現実味を帯びてきている。戦型は過去の両者の対戦内容から横歩取りが濃厚か。
過去の対戦成績は羽生竜王の3勝2敗。
公式戦15連勝中の藤井六段。まだ気は早いものの、昨年記録した29連勝を更新するためには最大の試練となりそうなのが、今期A級昇級を果たした糸谷八段戦。藤井六段は持ち時間5時間以上の対局では通算25勝1敗という驚異的な勝率を残しており、糸谷八段が相手と言えども勝機は十分。