2018/10/16
C級2組順位戦最終局で三枚堂達也六段に快勝し、公式戦15連勝目を挙げた藤井聡太六段。

2017年に記録した歴代最多の29連勝まではようやく折り返し地点ですが、佐藤名人や羽生竜王を連破して棋戦初優勝を決めた朝日杯の活躍や、直近の将棋の内容の充実ぶりを見ると、藤井六段が負ける様子が想像しづらいのも事実です。
そこで、かなり気が早いのを承知の上で、新記録達成までに必要な残り15局の対戦相手を予想してみました。
確定済みの対局(5局)
竜王戦:ランキング5組、窪田義行七段vs阿部光瑠六段の勝者
王座戦:2次予選決勝、糸谷哲郎八段(3月22日)
棋王戦:1次予選、北浜健介八段vs古森悠太四段の勝者
王将戦:1次予選、井上慶太九段
新人王戦:八代弥六段vs西山朋佳奨励会三段の勝者
現時点で対局相手が決まっているのは以上の5局です。この中で圧倒的に目を引くのが、今月22日に行われる、「怪物」の異名を持つ糸谷哲郎八段戦です。元竜王にして今期A級昇級も果たした糸谷八段を含め、関西所属の20代後半から30歳前後の若手には勢いのあるトップ棋士が多いのですが、藤井六段はこれまで豊島将之八段、稲葉陽八段、菅井竜也王位といった先輩達には一度も勝てていません。
藤井六段にとって、現在の15連勝が開始してから初めての関西若手強豪との対戦となる糸谷八段戦は、ここ数か月で更なる進化を遂げたのかが問われる試金石となります。ただし、糸谷八段は早指しを得意とするタイプなので、王座戦での対戦は5時間以上の持ち時間(竜王戦、順位戦、王座戦)で25勝1敗(!)という驚異的な通算勝率を誇る藤井六段に有利に働くと思われます。
27連勝までに組まれることが濃厚な対局(7局)
竜王戦:ランキング5組、2局
石井健太郎五段?近藤誠也五段or青嶋未来五段?
王座戦:決勝トーナメント、1局
棋王戦予選:2局
畠山鎮七段?
王将戦:1次予選、1局
NHK杯:1局
藤井六段が勝ち続けた場合に、5月末までに組まれることが濃厚なのが以上の7局です。既にトーナメント表が発表されている棋戦の中で、B級1組以上、もしくは今期勝率6割5分以上の棋士と対戦する可能性があるのは竜王戦(石井五段と近藤五段or青嶋五段)と棋王戦(畠山七段)の3局です。
しかし、組み合わせが未確定な王座戦とNHK杯を除けば、16連勝目を懸けて戦う糸谷八段以上の難敵は見当たりません。
30連勝までに組まれる可能性がある対局(以下の中から3局)
竜王戦:決勝トーナメント1回戦、6組優勝者
順位戦:C級1組
叡王戦:六段予選
王座戦:決勝トーナメント準々決勝
棋王戦:決勝トーナメント1回戦
王将戦:1次予選決勝
棋聖戦:1次予選
新人王戦:準々決勝、三枚堂達也六段or近藤誠也五段?
藤井六段がさらに勝ち進んだ場合に、6月以降に行われるのが以上の対局です。ここでも、糸谷八段以上の強敵と対戦する可能性があるのは、王座戦決勝トーナメントの準々決勝のみです。
3月22日の糸谷八段戦が最大の山場

以上のように、今後藤井六段が歴代新記録の30連勝を目指す上で最大の試練となりそうなのが、次の16連勝目を懸けた糸谷八段戦なのです。これを勝ち切ることが出来れば、王座戦決勝トーナメントでトップ棋士との対戦が組まれる可能性と、勢いのある若手との対戦が4、5局予想される以外は、藤井六段の連勝を止める有力候補となりそうな相手は見当たりません。
プロ同士の対戦では、30連勝はおろか、15連勝でも通常は非常に困難な記録です。現在15連勝中の藤井六段がここからさらに15連勝して歴代最多記録を更新する確率は、今期の8割5分という驚異的な勝率をもってしても、単純計算では僅か10%以下です。しかし、最近の内容の充実ぶりや、今後予想される対戦相手の顔ぶれを考慮すると、実際の確率は25%程度はありそうな気がします。少なくとも、次戦で「怪物」をなぎ倒すことが出来れば、その確率は倍近くまで跳ね上がるでしょう。
コメント
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