昨年度は実に8度も行われた久保vs豊島戦が、今年度も早くも実現。まだベスト16の対戦ではありますが、他の準々決勝進出者を見ると、昨年の名人戦に挑戦した稲葉八段以外はしばらくタイトル戦から遠ざかっている、もしくは挑戦経験がない棋士ばかりです。昨年度の活躍を考慮すると、久保vs豊島戦の勝者が挑戦者の最有力候補となりそうな状況で、新年度早々から大一番となりました。
先月は順位戦プレーオフと王将戦で怒涛の快進撃を見せながら、超過密日程の前に惜しくも散った豊島八段。過去に幾度となく大勝負で苦渋を飲まされている関西の偉大な先輩を倒し、悲願の初タイトルへ向けて勢いに乗ることが出来るでしょうか。
過去の対戦成績は久保王将の15勝13敗。
藤井六段の今年度初対局。昨年7月に29連勝が止まった直後の2か月は10勝5敗と、やや勝率が落ちた藤井六段。今年度は既に王座戦の決勝トーナメント進出を決めるなど、本格的にタイトル挑戦を伺えそうな勢いだけに、16連勝が止まった直後の本局の内容に注目が集まります。また、本局では年下ながら段位が上で、四段昇段も早い藤井六段が上座に座ります。
過去の対戦成績は藤井六段の1勝0敗。
前会長vs現会長、永世名人vs永世棋聖の超重量級対決。近年はやや不本意な成績が目立っていた両者ですが、昨年度は谷川九段が関西の若手実力者をなぎ倒して王位リーグ入りを果たし、佐藤九段もA級順位戦プレーオフに勝ち進み、棋聖戦でもベスト8進出を決めるなど、復調の兆しを見せています。佐藤九段の独創的すぎる序盤戦術に対し、「光速流」谷川九段が中盤までに致命的な差をつけられずに終盤勝負に持ち込めるかどうかがカギとなりそうです。
過去の対戦成績は佐藤九段の39勝33敗。