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久保王将が防衛、豊島八段は超過密日程の中の追い上げも実らず

time 2018/03/15

第67期王将戦第6局は久保利明王将が豊島将之八段に120手で勝利し、4勝2敗で王将防衛を決めました。


後手の久保王将の中飛車模様の立ち上がりに対し、豊島八段が序盤から牽制球を投じます。

ここから▲5三角、△4四角、▲同角成、△同歩、▲4三角、△3二角、▲同角成、△同金と進みます。先手が2手損しますが、あえて△4四歩と△3二金と指させることが、後手が振り飛車をする場合にマイナスになると見ています。また、居飛車を指された場合には後手が5筋の歩を突いている点が角交換の将棋では傷になりそうです。

久保王将は結局中飛車を採用し、豊島八段は左美濃へ構えます。

後手が4筋から動いたタイミングで馬を作ることに成功した先手の模様が良さそうですが、ここから△5五銀、▲7七銀、△4六歩、▲同歩、△同銀、▲4八飛、△4七歩と素朴に進められてみると、4七歩の拠点のプレッシャーや、3七桂が負担になりそうなこともあり、後手も十分に戦える局面です。馬を作らせても指せると見た久保王将の大局観が光ります。

先手は飛車先の突破に成功したものの、後手も先ほどの4七歩がと金に化けて金と交換になる戦果を上げており、難解な形勢です。豊島八段は▲4二竜、△同金引、▲8五歩と後手の玉頭にプレッシャーを掛けましたが、△3六飛から後手が駒得を拡大させてリードを奪いました。

▲4二竜では▲4五桂と取られる寸前の桂をさばいていれば、互角の形勢が続いていた気がします。△3三金は▲同桂成、△3四金は▲同竜で、いずれ桂を成り込んで駒損を取り返せそうな形で、先手玉の堅さも活きそうな展開です。

最後は久保王将が豊島八段の玉頭からの突撃を見切り、きっちり1手勝ちを収めました。以下は▲同銀、△同歩成、▲同玉、△7六角からの並べ詰みです。

久保王将は今月に入ってから3連敗中で、順位戦でも挑戦を逃すなど嫌な流れが続いていましたが、最終局を待たずに見事に防衛を決めました。一方の豊島八段は王将戦第4局まで対久保戦で多用していた相振り飛車で結果を残せなかったことが響き、順位戦プレーオフと並行する過密日程の中で怒涛の追い上げを見せたものの、王将戦ではついに力尽きました。18日には休む間もなく順位戦プレーオフで羽生竜王と対戦しますが、本局の敗戦から切り替えて名人挑戦に望みをつなぐことが出来るでしょうか。

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