菅井竜也王位への挑戦権を懸けた大一番。両者共にリーグ戦では1敗は喫したものの、全体的な内容では抜群の安定感を発揮して順当に勝ち上がった印象でした。特に豊島八段は王将戦、棋聖戦に続き今年早くも3度目となる挑戦を狙っており、公式戦が少ない4~5月だけでも早くも12局(9勝3敗)もの対局が付くなど、相変わらずの過密日程が続いています。
一方の羽生竜王は今年度はここまで4勝5敗と、ここへ来てやや負けが目立っています。敗戦の内訳は名人戦(佐藤天彦名人)、深浦九段、木村九段とトップ棋士ばかりではありますが、6月はこの後も棋聖戦や名人戦で大勝負が続くだけに、本局に勝って流れを変えたいところでしょう。
第59期王位戦挑戦者決定リーグ白組プレーオフ、豊島将之八段vs澤田真吾六段の対局は、101手で豊島八段が勝利しました。豊島八段が挑戦者決定戦で羽生善治竜王と対戦します。関西を代表する若手実力者同士の熱戦を検証します。 豊島八段(左)、澤田六段。出典:日本... 豊島八段が澤田六段に勝利、挑決進出を懸けた大熱戦を徹底検証 - 将棋を100倍楽しむ! |
過去の通算成績は羽生竜王の12勝9敗。
決勝トーナメント進出を懸けた一戦。藤井七段は年明け以降は22勝2敗と爆発的な勢いで勝ち続けており、特に持ち時間5時間以上の対局(順位戦、竜王戦、王座戦)では昨年の竜王戦で佐々木勇気六段に29連勝を止められて以降は一度も負けていません。昨年のような国民的フィーバーを今年も竜王戦で巻き起こすことは出来るでしょうか。
両者は公式戦初対局となります。
棋王戦予選決勝で中村亮介六段に勝ち、本戦出場を決めた藤井聡太七段。今年度はここまで6戦全勝、年明け以降は22勝2敗と驚異的な勝率を挙げていますが、6月以降は各棋戦で更なる強敵との対局が待ち構えています。藤井七段の今後の注目対局をまとめました。王座戦最大... 今期全勝の藤井七段、6月は因縁の注目対局が目白押し - 将棋を100倍楽しむ! |
2日前に王位戦挑戦者決定戦で戦ったばかりの両者が棋聖戦でも激突します。豊島八段は対羽生戦の通算成績では決して大きく負け越しているわけではないにも関わらず、2度のタイトル戦、2度のトーナメント準決勝、そして昨年度の順位戦プレーオフと、大舞台ではことごとく苦渋を味わって来ました。自身5度目のタイトル挑戦となる棋聖戦で、今度こそその実力に相応しい栄冠を手に入れることが出来るでしょうか。
第89期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦、三浦弘行九段vs豊島将之八段の対局は、豊島八段が84手で勝ちました。 出典:Abema TV新感覚の序盤角換わりの出だしから先手の三浦九段が積極的に仕掛け、序盤早々から大決戦となりました。▲3五歩に後手の豊島八段が△7三桂... 豊島八段が棋聖戦挑戦者に!3月の悔しさをバネに5度目の正直に挑む - 将棋を100倍楽しむ! |
ちなみに、棋聖戦第1局は今年も例年通り淡路島で行われますが、10連覇中の羽生棋聖は昼食にきつねうどんを頼まれることが毎年恒例になっています。今年も「きつねうどん」定跡が続くのかどうかも密かな注目点です。
過去の通算成績は羽生竜王の12勝9敗。