将棋を100倍楽しむ!

将棋用語辞典

将棋用語は一種の方言のようなもので、初めて聞く方には意味が伝わりづらいかも知れません。また、日常的に使う言葉でも、将棋に関して使う時は通常と意味が異なったり、特定の指し方や状態を示す場合があります。


このページでは、将棋番組を初めて見た方でも、意味や文脈が分からない単語を聞いた時にここで調べるだけで話の内容を理解していただけるようになることを心がけて解説しています。

将棋番組等で解説のプロ棋士が使うような将棋用語は殆ど網羅していると思います。また、直接的な意味だけではなく、局面図を使った例題や、現在のプロ棋界におけるニュアンスなども解説しています。

ア行

相穴熊

お互いに穴熊囲いに組むこと。殆どの場合、居飛車対振り飛車の戦型で起こるため、一般的に「相穴熊」と言えば「居飛車穴熊対振り飛車穴熊」の戦いを指す。

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相掛かり

相居飛車の戦型の一種で、お互いに飛車先の歩を交換し合う指し方。お互いに玉が薄く、比較的定跡が整備されていない戦型なので、力勝負になりやすい。

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合い駒

飛車、角、香で王手された時、玉と相手の駒の間に駒を打って王手を解除すること。

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相振り飛車

お互いに振り飛車を指す戦型。

一般的に、相振り飛車の場合は三間飛車が最も攻撃的で、中飛車はやや損だとされる。

開き王手

飛車(及び竜)、角(及び馬)、香の利き筋と敵玉の間に自分の駒がある時、その駒を動かして王手を掛けること。

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遊び駒

働きが弱い駒。

駒の一マス前。「~頭」と角と「とう」と読む。例:玉頭(ぎょくとう)、角頭(かくとう)

頭金

敵玉の一マス前に金を打つこと、またはそれで詰ませること。敵の玉頭に自分の駒が利いている時に「頭金」を打つと、敵玉は下にしか逃げられないため、効率のいい攻め方である場合が多い。特に敵玉が一段目にいれば、「頭金」はそのまま詰み形となる。

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当たる

敵の駒の利きに味方の駒が入っている、またはその逆。次に取れるまたは取られる状態であること。

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穴熊

玉を自陣の隅へ移動させる囲いの総称。居飛車で指すものを居飛車穴熊、振り飛車で指すものを振り飛車穴熊という。玉を「穴」にもぐり冬眠する「熊」に見立てた名称。

玉の周りに守備駒が密集すること、盤の隅にいるため相手の駒からの距離が遠いことなどから、非常に堅い囲いである。半面、組みあがるまでに手数が掛かることや、駒が玉のそばへ偏るため、玉の反対側の陣形が手薄になりバランスが悪いなどの弱点がある。

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居玉

玉を初期配置のまま戦うこと。居玉のまま戦うのは危険なことが殆どで、「居玉は避けよ」という格言がある。

一間竜(いっけんりゅう)

敵玉の上もしくは左右に一マス空いた地点に竜を配置すること。特に持ち駒に金があると、合い駒をされても玉の斜め前に金を打てばその駒を取れるため、寄り形へ持ち込みやすい。

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一手一手

これ以上受けても自然に攻められると受けなしに追い込まてしまう状態。

一手すき

「詰めろ」と同じ。詰むまでに「一手」猶予がある状態のことで、「二手すき」は次に「詰めろ」を掛けられる状態。

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居飛車

飛車を初期配置のまま戦う戦法の総称。両者共に居飛車で戦うことを「相居飛車」と呼ぶ。

浮き駒

他の駒が利いていない地点にいる駒のこと。一般的に玉と歩に対しては使われない。浮き駒は相手の駒に狙われると次にただで取られてしまうため、浮き駒を作るのは危険な場合が多い。

埋める

持ち駒を打って囲いを補強すること。

上手

駒落ちのハンデを付ける際に、駒を落とす側の上位者のこと。

大駒

飛車(及び竜)と角(及び馬)のこと。

カ行

角頭歩突き

角の頭の歩を序盤早々に突く戦法。敵の飛車に狙われていかにも危険だが、実際は双方が最善を尽くせばほぼ互角の戦いになる。相手の予想していない手を指して自分は経験値のある形へ持ち込む狙いのため、奇襲戦法の一種と位置付けられている。

角換わり

相居飛車の戦型の一種で、序盤早々に角交換をする戦型。プロでは最もよく指される戦型の一つ。

角交換振り飛車

相手の居飛車に対して振り飛車を指し、さらに序盤早々に角交換をする戦型。2000年頃までは振り飛車は角交換を避けることが常識だったため、従来の角交換を避ける振り飛車と区別するために「角交換振り飛車」と呼ばれる。

従来の角交換を避ける振り飛車(現在は「ノーマル振り飛車」とも呼ばれる)は基本的にカウンター狙いの戦術だった。そのため居飛車穴熊に組まれることを避けることが難しく、プロレベルでは玉の堅さで劣る振り飛車側が苦戦することが増えていた。角交換型振り飛車は振り飛車側からも仕掛けやすく、居飛車の駒組を制限できるというメリットがある。

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角道(かくみち)

角の移動範囲。「角筋」とも言う。「角道を開ける」、「角道を止める」などと言う。

囲い

玉の安全度を高めるために、玉の周辺に金銀を配置するパターン化された形。基本的には金2枚と銀1枚で作られることが多い。囲いを組み上げることを「玉を囲む」という。

形作り

自分の玉がことが詰まされることが分かっていても受けが利かない時に、相手玉に詰めろを掛けて、投了する前に一手違いのいい勝負であったとの局面を作ること。

勝ちやすい

お互いに最善手を続けることが出来れば互角に近い形勢でも、相手の方がミスをしやすい、もしくはミスをした場合に大きく形勢を損ねそうな局面。一般的に、玉堅い、もしくは攻めている側の方が勝ちやすいことが多い。

金駒(かなごま)

金と銀のこと。敵玉を詰ませたり自玉を守るのに適した駒なので、一般的に終盤になればなるほど価値が上がることが多い。

カニ囲い

玉の囲いの一種。相居飛車の戦いにおいて用いられる。平べったい金銀の形や、玉の斜めに金が2枚いる形がカニの胴体や爪に見えることから。

矢倉囲いを組む過程で出現することが多い囲いで、カニ囲いから更に駒組を続けて矢倉を目指すケースが多い。

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自玉の逃げ道を塞いでいる自分の駒。「壁金」、「壁銀」などと言う。玉が詰まされやすくなるため、悪い形である。

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辛い

勝勢の局面で万が一にも負けないような手堅い差し方をすることを。

軽い

駒が効率よく働いている、好ましい状態。主に振り飛車に対して使われる。

数の攻め

あるマスに相手よりも多く自分の駒が利いている状態にして突破を図ること。自分の駒の数を増やすことを「足し算の攻め」、相手の駒の数を減らすことを「引き算の攻め」とも言う。

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雁木(がんぎ)

玉の囲いの一種。相居飛車の戦いにおいて用いられる。

江戸時代から存在した囲いだが、近年までは有力とされていなかった。しかし、将棋ソフトが採用することが多いことからプロ棋界でも2017年中旬頃から大流行している。それまで主流だった矢倉囲いと比べ、玉の堅さは劣るものの、バランスが良く角交換に強い点や、左桂が活用しやすいことが特徴。

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顔面受け

玉を直接守備駒として扱い、相手の攻めを受け止めること。

利かし

相手に受けを強要し、なおかつその受ける手との交換がこちらの得になるような手のこと。直接的な戦果を挙げられなくても、相手の受けとの交換は無条件に得となるため、利かしが入る場合はその手を指した方がいい。

棋風

指し手の特徴や、ある人の指し手の傾向。「攻め将棋/受け将棋」、「居飛車党/振り飛車党」などと言う。

玉形

玉の安全度。「玉形が堅い/薄い」などと言う。

拠点

指しての特徴や、ある人の指し手の傾向。「攻め将棋/受け将棋」、「居飛車党/振り飛車党」などと言う。

切らす

相手の攻めを受けて防ぎきること。「攻めを切らす」と言う。「切れ筋」は攻めが切れていること。

切る

大駒を自ら相手の小駒と交換すること。

銀冠(ぎんかん、ぎんかんむり)

玉の囲いの一種。相居飛車、居飛車対振り飛車を問わず全ての戦型で用いられる。

美濃囲いから発展するケースが多く、美濃囲いと比べ上部や端に強いことが特徴。

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銀多伝(ぎんたでん)

駒落ちにおいて、二枚落ちの下手側の有力な戦法の一つ。駒の働きが非常に良く、初段を目指す過程で必ずと言っていいほど学ぶ戦法。

銀ばさみ

銀の両横に相手の歩がいるため、銀が斜め後ろに戻れない状態のこと。主に序盤戦で使われる言葉。銀が取られてしまう可能性が高くなる、危険な状態。

金無双

玉の囲いの一種。主に相振り飛車において用いられる。

玉の上部や端に強いものの、銀が壁形でもあるため横からの攻めにはかなり弱い。

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位(くらい)

5段目まで歩を進め、かつすぐには相手の歩で取られない状態こと。

「位を取ったら位の確保」という格言があり、位の下へ自分の銀を配置した形は好形であることが多い。

下段の香

自陣の一段目に打つ香。

香は下にいるほど動けるマスが多く、かつ動けない後ろから狙われづらくなるため、下段の香は妙手となる場合が多い。同じ原理で、香車で特定の筋を狙う場合は、可能な限り手前から打つ方が良い場合が多い。

交換

駒の取り合いの結果、お互いに持ち駒を得ること。例えば、自分の銀で相手の桂を取り、次に銀が相手の別の駒に取られれば「銀桂交換」という。

ゴキゲン中飛車

角道を止めずに指す中飛車の総称。創始者の近藤正和六段が明るい性格で、常に「ゴキゲン」なことから名づけられた。プロでは振り飛車の中では最もよく指される戦法の一つ。

従来の振り飛車と比べ、角交換を厭わずに振り飛車側からの仕掛けを見せ、居飛車の駒組を制限出来るのが特徴。

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腰掛け銀

居飛車の指し方の一つで、右銀を4七~5六と活用する手法。主に相居飛車の戦いで用いられる。銀が5七の歩の上に「腰掛け」ている様子から呼ばれる。

この銀は主に攻め駒として使うが、盤の中央に位置していることから受けに働くこともあり、バランスがいいのが特徴。

小鬢(こびん)

玉・飛車の斜め上のマス。このマスに駒がいないと、相手の角に狙われる可能性があり、危険なケースが多い。

駒落ち

実力差がある者同士が対局する時に上位者が初期配置から駒を何枚か減らして(「落として」)ハンデをつけること。駒を落とした側が上手、落とされた側が下手と呼ばれる。駒落ちの対局では初手は必ず上手が指す。

一般的に用いられる手合いは、ハンデの少ない順に、「香落ち」(左の香のみ落とす)、「角落ち」、「飛車落ち」、「飛車香落ち」(飛車と左の香)、「二枚落ち」(飛車・角)、「四枚落ち」(飛車・角・香二枚)、「六枚落ち」(飛車・角・桂・香)、「八枚落ち」(飛車・角・銀・桂・香)、「十枚落ち」(飛車・角・金・銀・桂・香)。

プロとの指導対局で六枚落ちで勝てれば初心者は卒業、二枚落ちで勝てればアマ初段と言われる。

駒組

自玉の守りを固めたり、攻め駒を好位置に配置して戦いの準備をすること。

駒の損得

盤上の駒と持ち駒を合わせて、対局開始時より駒を得、または損しているかを計算すること。「駒割」とも言う。駒を得していれば「駒得」、損していれば「駒損」と言う。

形勢判断を行う際、主に駒の損得、駒の働き、玉の堅さ、どちらの手番であるか、の4点が考慮される。「駒の損得」は客観的に計算することが容易で、なおかつ中盤までは最も重要な要素であることが多いので、初心者はまずは可能な限り駒損を避けるよう心掛けるべきである。ただし、終盤に入ると「駒の損得」は相対的に重要度が低下するため、駒の働き、玉の堅さ、手番をより意識する必要が出てくる。

駒柱(こまばしら)

いずれかの筋のマスが、全て駒で埋まっている状態。

サ行

指し過ぎ

やりすぎ。主に、駒を捨てて攻めたものの駒損に見合う対価が得られなかった場合に使われる。

指しにくい

やや形勢不利な局面。対義語は「指しやすい」。

また、「指しにくい手」は、あり得る候補手ではあるが何らかのデメリットも目立つため、指すことをためらうような一手のこと。

さばく

遊び駒を活用したり、相手の駒と交換に持ち込んで働かせること。特に振り飛車を指す時に重要視される。

三間飛車

振り飛車の一種で、飛車を左から三列目の筋へ移動させる指し方。

四間飛車

振り飛車の一種で、飛車を左から四列目の筋へ移動させる指し方。

持将棋

両者共に入玉し、敵玉を寄せる見込みがなくなった際に引き分けとなるルール。指し直し局は先後を入れ替えて行う。

両者共に入玉した場合、盤上の駒と持ち駒を、玉を0点、大駒(飛車・角)を5点、小駒(金・銀・桂・香・歩)を1点とし、合計点を計算する。これ以上点数の変動が起こり得ないと両者が合意したタイミングで、どちらかが24点未満の場合は負けとし、両者24点以上の場合は引き分けとなる(24点法)。

アマチュア大会などでは、27点未満を負け、両者共に27点の場合は後手勝ちとして強制的に勝敗をつける場合も多い(27点法)。

質駒

いつでも取れる状態になっている相手の駒のこと。ただし、ただ取り出来る時と、歩に対してはは呼ばれない。

実戦的

必ずしも最善ではないものの、相手のミスが出やすかったり、自分がミスをしにくいような、実戦での勝ちやすさを重視した指し方のこと。

死ぬ

次にどう指しても、玉と歩以外のある駒が取られてしまう状態。玉の場合は「詰む」と言う。

痺れる

相手に妙手を指されて困ってしまうこと。

邪魔駒

その駒がいなければ良い手があるにも関わらず、その駒のせいでその手を成立させなくしてしまっている状態の自分の駒。存在しない方が都合がいい自分の駒。「壁」は邪魔駒の一種。

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十時飛車

飛車が縦横に利いている両取りのこと。

焦点

相手の複数の駒が利いている地点。

尻金

相手の玉の真下に打つ金、またはそれで詰んでしまう形のこと。

姿焼き

自分の玉の囲いがそのまま残っているにも関わらず、攻めが切れてしまって敗勢に陥っている状態のこと。主に穴熊などの堅い囲いに対して使われる。

1.将棋盤における縦の列の呼び方。右から1筋、2筋・・・9筋と言う。

2.駒の利きのライン。飛車筋、角筋など。

3.理に適っている、王道な指し方を「筋が良い」と言う。そうではない指し方は「筋が悪い」と言う。

雀刺し

香を3段目に上がり、その下へ飛車を寄って端を責める指し方。

捨てる

相手にただで駒を取らせること。ただ捨てとも言う。

ゼット

相手に駒を何枚渡しても自玉が絶対に詰まない状態。「絶対に詰まない」の頭文字「Z」から来ている。また、特定の駒なら何枚渡しても詰まない状態は「〇〇ゼット」と言われる。例えば「桂馬ゼット」は桂馬以外の駒なら何枚渡しても絶対に詰まない状態。

自玉が「ゼット」の状態だと、何枚駒を捨てても相手玉に必至を掛けてしまえば勝ちなので、かなり乱暴な寄せでも成立してしまうことがある。そのため、終盤では自玉を「ゼット」にしたり、敵玉を「ゼット」にさせないことが重要になることが多い。

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千日手

同一局面が4回出現し、引き分けとなること。ただし、この手順の中でどちらかが王手を掛け続けている場合は「連続王手の千日手」という反則になるため、王手を掛け続けている側が同一局面が4回出現する前に手を変えなければならない。

千日手が成立すると、先後を入れ替えて初手から指し直しとなる。先手番の方が若干勝率が高いため、後手番としては序盤で先手からの仕掛けを封じるような守備的な戦い方をして千日手を狙うことも、プロレベルでは立派な戦術である。

俗手

誰でも思いつくような単純で分かりやすい手。主に持ち駒の金銀を打って相手の玉や囲いの金銀に当たりを掛ける手を「俗手」と呼ぶ。

底歩

自陣の一段目(自分から見て手前の段)に歩を打つこと。特に、二段目に金がいてその増したに歩を打つと「金底の歩」と言われる非常に守りの堅い形になり、妙手であることが多い。

袖飛車

右から3列目の筋に飛車を動かす戦法。

タ行

対抗形

居飛車対振り飛車の戦型の総称。

打開

千日手を回避すること。序盤では先手番が、中終盤では形勢に自信がある側が指し直しを嫌って千日手を打開することが多い。

高美濃

囲いの一種。主に振り飛車が用いる。

美濃囲いを発展させた形で、美濃囲いと比べ上部に強い一方、横からの攻めには弱い。

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叩く

歩を相手の駒の前に打つこと。

垂らす

歩を敵陣の2-4段目(次にと金に成ることが出来る位置)に打つこと。その歩は「垂れ歩」と呼ぶ。

地下鉄飛車

飛車を自陣の一段目へ引き、さらに盤の反対側へ移動させる指し方。

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突き捨て

歩を前に進め、わざと相手に取らせること。

歩は同じ筋に2枚打てない(二歩)ため、歩の突き捨てによってその筋のどこにでも新たに歩を打てるようになるメリットがある。

反対に、歩を突き捨てない方がいい要因としては、その歩が働きのいい位置にいる、相手に手抜かれる恐れがある、相手が歩切れである、まだ序盤である(序盤は駒の損得が特に重要となる)、などが挙げられる。

継ぎ歩

歩を相手の歩に対して突き捨てるか叩いた直後に、更に叩くこと。

継ぎ歩で相手の歩を上ずらせることで、その後ろにスキが生じることが多い。そのため、「3歩持ったら継ぎ歩に垂れ歩」という格言がある。

詰み

玉をどこへ動いても相手の駒に取られる状態、または王手の連続で最終的にどこへ動いても取られる状態に持ち込まれてしまう状態。

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詰めろ

王手ではないが、受けの手を指さなければ相手の次の手から王手の連続で玉が詰まされる状態。「一手すき」ともいう。

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詰めろ逃れの詰めろ

自玉の詰めろを消しつつ、敵玉に詰めろを掛ける手。

手順前後

先に指すべき手と後に指すべき手の順序、「手順」を間違ってしまうこと。

手筋

パターン化された部分的な攻め・受けの手順。

手得

相手よりも多く指し手を進めている状態。相手に多く指されている状態は「手損」という。

手になる

攻めが成立していること。

手抜く

駒が当たっている状態や攻め込まれている状態を放置し、別の手を指すこと。

手を渡す

自分から動くと不利になると判断した時、大勢に影響のない無難な手を指して、相手の動きを見ること。「手待ち」ともいう。

田楽刺し

相手の価値の高い駒(玉、飛車、角、金、銀)が複数いる筋に香車を打ち、価値の高い駒との交換を狙う手。

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遠見の角

自陣のマスで、なおかつ敵陣へ直接利いている位置に打った角のこと。大駒は戦場から離れた位置から睨みを利かせる方が受けづらいことが多いため、遠見の角は妙手であることが多い。反対に「大駒は近づけて受けよ」という格言もある。

投了

自分の負けを宣言すること。「負けました」、「参りました」、もしくは「ありません」と発声して行う。

トン死

形勢が有利な側が、簡単な自玉の詰みを見落として詰まされてしまうこと。

ナ行

中住まい

玉の囲いの一種。相居飛車の戦いで用いられる。

玉の守りは薄いものの、短手数で組めることやバランスが良い形であることから、序盤早々に戦いになりやすい相掛かりや横歩取りの将棋で採用されることが多い。

中飛車

振り飛車の一種で、飛車を5筋(中央の列)へ移動させる指し方。

投げる

投了と同義。自分の負けを宣言すること。

斜め駒

斜め後ろへ引ける角と銀のこと。

並べ詰み

持ち駒を連続して打てば容易に詰む状態。自然に持ち駒を「並べる」だけでいいような簡単な詰み。

成り捨て

ただで取られる位置へ駒を成り、あえて取らせること。

二枚替え

大駒一枚(飛車・角)と歩以外の小駒(金・銀・桂・香)二枚の交換。一般的に大駒一枚に対し、金銀二枚は小駒が駒得、桂香二枚は大駒が駒得、金か銀+桂か香はやや小駒が駒得と判断される。

入玉

玉が敵陣の3段目以内に入ること。両者共に入玉することを「相入玉」と呼び、それによって引き分けとなることを「持将棋」と呼ぶ。

入玉すると、玉の周囲に成り駒を作ることが容易なため、非常に寄りにくくなる。また、玉を上部へ逃げられると入玉される可能性が高くなるため、下方向へ追うように寄せた方がいい場合が多い。「玉は下段に落とせ」という格言がある。

ハ行

はがす

相手の囲いの駒を、取るもしくは自分の駒との交換を迫るなどして、盤上から無くすこと。

1筋もしくは9筋(盤の両端にある列)のこと。「端攻め」は1筋もしくは9筋から攻めること。

弾く

玉に迫ってきた大駒に自分の駒を当てて、逃げる手を強要して「弾き飛ばす」こと。

走る

飛車または香車を2段以上前進させて相手の駒を取ること。

跳ねる

桂馬を動かすこと。桂馬を初期配置から中央へ向かって3回跳ねて敵陣まで到達することを「天使の跳躍」と言う。

早繰り銀

居飛車の指し方の一つで、右銀を3七~4六と活用する手法。主に相居飛車の戦いで用いられる。この銀は主に3五歩と仕掛けるための攻め駒として使う。

早逃げ

相手から攻められる前に、あらかじめ玉を安全な位置へ移動させること。

玉を攻めるためには2枚以上の駒を連携させなければならないケースが多い。しかし、玉に2枚以上の駒が迫っている場合、受ける側は玉を1手で移動させられるのに対し、攻める側も1手につき1枚の駒しか動かせないため、玉の逃げ足の方が攻め駒の追撃速度より早いことが多い。そのため、特に相手が一方向からしか攻められない時や、小駒のみの攻めの時などは、玉の早逃げが妙手であることが多く、「玉の早逃げ8手の得」(8手分くらい大きな得である)という格言がある。

腹金

敵玉の真横(腹)に打つ金のこと。銀を打つ場合は「腹銀」と呼び、王手ではないものの玉の逃げ道を塞ぐ妙手となることが多い。

パンツを脱ぐ

穴熊の桂馬を動かすこと。囲いの重要な駒を守りから外してしまう様子から。

控える

攻め駒を敵陣や相手の駒に当たるような位置ではなく、あえて離れた位置に打って次に厳しい手を狙うこと。

飛車先

初期位置の飛車の前にある歩のこと。「飛車先を切る」は、この歩を相手の歩と交換し、飛車の利きをよくすること。

左美濃

玉の囲いの一種で、美濃囲いを盤面の左側で組む形のこと。主に相手の振り飛車に対して居飛車を指す際に用いられるが、近年では相居飛車の戦型で用いられることもある。

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必至

玉に「詰めろ」がかかり、かつどう受けても次に詰まされてしまう状態。

ひねり飛車

相居飛車の戦型の一つで、先手が2筋の歩を交換した後に飛車を4段目へ引き、左辺へ転換する指し方。

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ひも

自分のある駒を相手に取られても、別の自分の駒で取り返せるような状態。例えば、銀を相手の角で取られてもその角を飛車で取り返せる場合、「銀にひもがついている」と言う。

封じ手

二日制のタイトル戦などで、一日目が終了し対局を中断する際に有利不利が出ないよう、次の一手をあらかじめ決めておく方法。一日目の終了時刻になると、手番の棋士が誰にも見られぬ別室で次の一手を記し、その紙を封筒に「封じ」る。翌日の対局再開時に封筒を開封し、そこに記された手が指される。

歩切れ

持ち駒に歩がない状態。歩がないと指し手の幅が様々な場面で制限されるため、好ましくない状態である。

藤井システム

藤井猛九段が考案した四間飛車の一種。穴熊や左美濃などの堅い玉形を目指す居飛車に対し、自玉を囲う手順の一部を省略して序盤から早い戦いを挑むことが特徴。

振り飛車の勝率を下げる要因となっていた居飛車穴熊に対して有力だったこと以外に、「序盤に自玉の囲い以外の手を優先する」という思想そのものが革新的で、その後の序盤戦術の発展に大きな影響を与えた。

現在では研究が進み、厳密には居飛車穴熊側が指しやすいという見方がプロ間では一般的である。しかし、知識や経験値の差を活かすため、持ち時間が短い将棋などでベテランが若手棋士相手に採用することもある。

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舟囲い(ふながこい)

玉の囲いの一種。居飛車対振り飛車の戦いで居飛車側に用いられる。

この後急戦の場合は左銀を6八へ上がって活用したり、持久戦の場合は7七角~8八玉などとさらに玉を深く囲う場合が多いため、駒組みをする途中で一時的に表れるケースが殆どで、舟囲いのままで戦うことは少ない。

振り駒

対局開始前に先手・後手を決める正式な方法。駒を初期配置に並べた後、上位者の歩を5枚取って手のひらの中で振り混ぜ、盤上か近くのテーブルなどに軽く落とす。表を向いている駒のうち、「歩」の枚数が多ければ上位者が、「と金」の枚数が多ければ下位者が先手番となる。

振り飛車

序盤に飛車を盤の左側へ移動させる戦型の総称。左から見て2列目へ移動すると向かい飛車、3列目だと三間飛車、4列目だと四間飛車、5列目だと中飛車と呼ばれる。

変化

ある局面から進行する手順として考えられる、それぞれの候補手順。

棒銀

居飛車の指し方の一つで、右銀を飛車筋(先手の2筋、後手の8筋)へ移動させる手法。対居飛車、対振り飛車共に用いられる。飛車と銀を協力させて飛車筋を攻めることを目指す。

狙いが分かりやすく、初心者が最初に教わる戦法の一つだが、単純ゆえに対策を立てられやすいことや、銀が中央から離れるため狙いが不発に終わると遊び駒になってしまう危険が高いことなどから、プロでは相掛かりなど一部の戦型以外は殆ど使われない。

細い

振り飛車の一種で、飛車を左から三列目の筋へ移動させる指し方。

本筋

経験上殆ど悪手にならないような、王道的な手。

本譜

実際の対局で指された進行。

マ行

回る

飛車の筋を変えること。

美濃囲い

玉の囲いの一種。振り飛車が用いる。また、居飛車が盤面の左側で同様の駒組をすることを「左美濃」と呼ぶ。

短手数で組むことが可能で、横からの攻めに強い一方、上部や端からの攻めに弱い。

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ミレニアム

玉の囲いの一種。居飛車対振り飛車の戦いで居飛車が用いる。

穴熊と比べると玉が一マス戦場に近いため、堅さは劣るものの、相手の角筋を避けるため組み上がる前に速攻を仕掛けられるリスクが低い、左桂を攻めにも活用出来るといった特徴がある。

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向かい飛車

振り飛車の一種で、飛車を左から二列目(相手の飛車と「向かい」合う列)へ動かす指し方。

無理攻め

相手に正しく応じられると不利になってしまう攻め。「無理筋」とも言う。

ヤ行

矢倉

玉の囲いの一種。主に相居飛車や相振り飛車の戦いで用いられる。

上部からの攻めに非常に強いため、玉の上部に相手の攻め駒がいる相居飛車や相振り飛車の戦型に向いている。一方、横からの攻めにはやや弱いため、居飛車対振り飛車の戦いではあまり採用されない。

近年では、組み上がるまでに手数が掛かる、玉が相手の角道に入ることによる危険性、角交換が行われた際に自陣にすきが出来やすい、といったデメリットが重視され、プロでは減少傾向にある。

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横歩取り

相居飛車の戦型の一種で、お互いに飛車先の歩を交換した後、先手が▲3四飛と飛車を「横」へ移動させて歩を取る指し方。

先手は序盤早々に一歩得するものの、その後飛車を立て直すのに手数が掛かるため、先手の一夫得対後手の手得という構図の戦いになる。

飛車・角・桂というダイナミックに動く駒が活躍しやすいことから、「空中戦」とも言われる。

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寄せる

敵玉を詰ます、必至をかける、あるいは受けが利きにくい形に持ち込むための手順を指すこと。そのような手順を防ぐ有効な手がない状態を「寄っている」と言う。

ラ行

力戦

序盤で定跡や過去の実践例から離れ、お互いの実力で勝負が決する将棋。

両取り

一手で同時に二つの駒に当たりが掛かる状態。どちらか一方に逃げられてももう一方の駒を必ず取ることが出来るため、両取りを掛ける手は妙手になることが多い。

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