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小学生名人でもプロになれない?激化する天才少年達の争い

time 2018/02/26

小学生名人戦とは?

将棋の天才少年達の登竜門とも言える小学生名人戦。歴代優勝者には羽生竜王、渡辺棋王など多くのプロ棋士が名を連ね、アマ四、五段の棋力がないと優勝争いに加われません。


準決勝・決勝は毎年NHKで放送され、羽生竜王が優勝した年には大山康晴15世名人と谷川浩司八段が解説を務めるなど、多くのドラマが見られます。

近年では詰みを逃してしまったことを局後に指摘されて泣き出してしまう選手も。将棋が強くなるには負けず嫌いな性格が必須であることが良く分かります。

近年では優勝経験者のプロ棋士が減少

1976年~2000年までの25年間を見ると、歴代優勝者の中から11人ものプロ棋士が誕生しています。

しかし、近年では2004年の佐々木勇気六段を最後に、小学生名人戦優勝経験者のプロ棋士は誕生していません。現実的には奨励会入会からプロ入りまで5年はかかると仮定しても、10年近くプロ棋士が出ていないことになります。

もう一つの大きな全国大会である倉敷王将戦でも、高学年の部優勝者では2007年の増田康広五段以降はまだプロ棋士が誕生していません。

また、現在の三段リーグを見ても、このどちらかの大会で優勝経験があるのは36名中4名しかいません。

奨励会入会の低年齢化が原因か

全国優勝を争うレベルの小学生達の実力が紙一重であることや、その後奨励会入会を果たしてからの成長速度に個人差が大きく表れることは言うまでもありません。

しかしそれ以上に大きな要因だと思われるのが、近年では小学4、5年生でアマ五段クラスの棋力に達し、小学生棋戦で活躍する前に奨励会入会を果たすケースが増えていることです。藤井聡太六段や、彼と同学年で現在の最年少三段である伊藤匠三段もこのパターンでした。

ちなみに、中学生名人戦の歴代優勝者を見ると、何と1990年の大平武洋六段以降はプロ棋士が誕生していません。それ以前の優勝者には丸山忠久九段や屋敷伸之九段などのトップ棋士の名前も見られることから、プロ入りするような有力者の奨励会入会年齢がいかに低年齢化してきているかが伺えます。

サッカーの世界では、高校生の有力選手の多くはJリーグのユースチームへ入るため、高校選手権で優勝するような強豪チームよりもユースチームの方が強いという見方が多いようです。将棋人口の増加により小学生トップクラスの棋力が上がり、将棋界もサッカー界と同じような構造になりつつあるようですね。

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