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谷川九段が高見六段に快勝、光速流の衝撃的な切れ味を徹底検証

time 2018/04/17

第31期竜王戦ランキング戦4組準々決勝、谷川浩司九段vs高見泰地六段の対局は、87手で谷川九段が勝利しました。


出典:Abema TV

「光速流」さく裂

後手の高見六段が得意の横歩取りへ誘導し、谷川九段は穏やかに▲3六飛と引くオーソドックスな形を選択しました。

谷川九段が▲1四歩と仕掛けた手に対して高見六段が△2四歩と突いた局面。先手からは▲1二歩~▲2一角~▲2五桂(△同桂なら▲3二角成)という攻めがうるさいので▲2五桂を受けたのですが、谷川九段はそれでも▲2五桂(!)と歩の前に飛び出す驚きの強行策を決行しました。

△2四歩と突いた以上は当然△同歩と取れなければおかしいのですが、以下▲1三歩成、△同香、▲2三歩、△同金、▲2四歩、△同金、▲1三香成(△同銀は▲3一角)、△3五歩、▲1六飛、△1五歩に▲2二成香と猛攻され、後に▲6四香と挟撃される手が非常に厳しく後手は支えきれません。

高見六段は夕食休憩を挟む苦しい長考の末、△1四歩と辛抱しましたが、そこで光速流が一気に牙をむきました。

▲9五角(!)

角を手放してまで桂を取りに行くという通常ならあり得ない発想ですが、▲3四桂と打つ手が非常に厳しい本局では例外的に成立していました。以下△8二飛、▲7三角成、△同銀、▲3四桂、△3一玉、▲6五桂と進み、先手は全軍躍動の構えです。

鮮やかな収束

必死に受け続けた高見六段が△3三角と勝負手を放った局面。平凡に▲6一竜と取ると△8八角成、▲6四竜、△3四歩から後手もまだ粘れそうですが、ここまで激しく斬り込んだ流れから一転してじっと▲2六歩と打った手が冷静な決め手でした。竜が3一にいると△8八角成の瞬間に▲3四金と抑えられてしまい、かといって△2二銀などと投入するとそこで▲6一竜と手順に取られるため、後手は指す手がありません。

執念の粘り

高見六段が△3一飛、△7二角と自陣に大駒を投入して最後の抵抗を見せた局面。▲3二桂成だと△2七桂からなりふり構わず粘られて、先手も寄せ切るまでにはもう一苦労するかも知れません。最後まで勝負を諦めない姿勢は勝率の高い棋士の必須条件であり、レジェンドとの初対戦となった本局への想いを感じさせる手順でした。

とはいえ本局では残念ながら大勢は決しており、▲2七歩、△2五玉、▲3二桂成、△同飛寄、▲2六歩まで、完璧な収束を披露した谷川九段が勝利を収めました。

桂跳ねを受けたばかりの相手に対する▲2五桂、さらに桂を強引に入手する▲9五角からの一直線の手順はいかにも谷川九段らしい鋭すぎる踏み込みで、昨年度から7割を超える高勝率を維持している高見六段に全く粘るスキを与えませんでした。竜王戦では4組という意外なクラスに甘んじている谷川九段ですが、全盛期を彷彿とさせる光速の寄せをさく裂させた本局の勝利により、5年ぶりの決勝トーナメント進出まで後2連勝と迫っています。

また、谷川九段は準決勝では井上慶太九段と増田康弘五段の勝者と対戦しますが、もし井上九段が勝ちあがると約3年ぶりの兄弟弟子対決が実現します。さらに4組優勝を果たすと、5組で勝ち進んでいる藤井聡太六段と決勝トーナメントで対戦する可能性がかなり高まります(5組と6組の優勝者が1回戦を戦い、勝者が4組優勝者と2回戦で対戦します)。昨年度から復調の兆しを見せている谷川九段の活躍から今後も目が離せません。

一方の高見六段は最近では珍しく一方的な敗戦となってしまいましたが、これほど完璧に斬られてしまうと逆に今後に引きずることもないでしょう。初タイトル獲得へ向けて幸先の良いスタートを切っている叡王戦での名誉挽回に期待しましょう。

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管理人の棋力はアマ五段くらい。好きな棋士は谷川浩司九段、「将棋の渡辺くん」に登場する渡辺棋王、佐々木勇気六段の話をする三枚堂達也六段、「りゅうおうのおしごと!」に登場する空銀子女流二冠です。

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