2018/10/16
第43期棋王戦5番勝負第2局は123手までで永瀬七段が勝ちました。第1局の鬱憤を晴らすような快勝で、対戦成績を1勝1敗の五分に戻しています。
ちなみに、この日の3時のおやつでは、永瀬七段は第1局に引き続きバナナを注文。カットされていたとはいえ、約4本分ものバナナが盛られた様子は壮観で、これから来るべき終盤戦へ向けて大量の弾薬を補給するかのようで、対戦相手への無言のプレッシャーのようにさえ感じられます。
しかも、本局では主催者のサービスで両対局者に追加でフルーツの盛り合わせも配られたため、両者のおやつ膳は凄いことに:
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将棋は角換わりから、先手が▲8八玉と入玉した瞬間に、5五角の王手飛車を含みに渡辺棋王が△6五歩と後手番ながら先攻します。
以下▲6四角、△7三角、▲6五歩、△7五歩と、両者の気風通り渡辺棋王が細かい攻めを続け、永瀬七段が受けに回る展開となりました。
▲8七歩には△4六飛、▲同歩、△7六歩があり、後手の猛攻が決まりそうな局面です。しかしここで▲9八玉が形に捕らわれない受けの妙手で、以下△4六角、▲同歩、△同飛に、先手も▲2四歩、△同歩、▲3三歩と反撃し、徐々にペースを握ります。
後手も必死に抵抗しますが、▲4二角成、△同金、▲2二銀が鮮やかな決め手でした。△同玉は▲2四飛、△同歩、▲同角の両取りが受からないため△4三玉と逃げますが、▲5五桂、△同金、▲同飛で攻めが切れなくなりました。
△9七香と後手が最後の勝負手を放った局面。しかし一旦▲8八玉、△8七歩と打たせてから▲9七玉が冷静な受けで、△8九竜に▲8六玉で先手玉は寄らない形です。最後は玉を上部へ脱出させる「負けない将棋」らしい勝ち方でした。
ちなみに両対局者ともに注文したおやつは完食されましたが、さすがに追加のフルーツ盛り合わせは「指しすぎ」と判断されたようで、終局後まで残されていました。
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