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「君たち、悔しくないのか」:藤井六段の朝日杯優勝で奮起した棋士達

time 2018/03/30

藤井六段が2月に朝日杯優勝を果たした際、谷川浩司九段は以下のようにコメントしています:


名人と竜王を破っての優勝は見事ですが、但し、20代・30代の棋士に対しては、「君たち、悔しくないのか。」と言いたい気持ちもあります。

日本将棋連盟

出典:産経新聞

しかし、藤井六段に朝日杯優勝後の初黒星を付けたのは、20~30代の棋士ではなく、奇しくも谷川九段の弟弟子でもある54歳の井上慶太九段でした。そしてこの将棋以外でも、谷川九段の発言をきっかけにベテランが一回り以上年齢差がある若手実力者を倒すケースが続出しています。

藤井六段17連勝ならず:井上九段が見せた「藤井キラー一門」の底力

40代以上の「悔しい!」棋士達


(2月18日以降に40代以上の棋士が若手実力者を破った主な対局)

発言者の谷川九段は藤井六段の優勝以前の対局も含めると、今年度は山崎八段に3勝0敗、菅井王位に2勝0敗、斎藤七段に1勝0敗、大橋四段に1勝0敗など、関西の若手実力者を軒並み圧倒しています。

光速流復活の兆し、谷川九段が菅井王位に快勝

豊島八段を相手にきっちりとタイトル防衛を果たした久保王将や、後輩に短期間で4勝を挙げている三浦九段(期間中に永瀬七段には敗れ、4勝1敗)の奮闘も目立ちます。

しかし、最も凄みを感じさせるのはやはり羽生竜王ではないでしょうか。豊島八段と稲葉八段を内容でも圧倒して名人戦挑戦者に名乗りを挙げるなど、朝日杯で藤井六段に敗れて以降は4勝0敗と勝ち続けています。羽生竜王の勝率が高いのは驚きでも何でもありませんが、もしも藤井六段との対戦が他の棋士以上に発奮材料となっているのだとすれば、恐るべき闘争本能と言わざるを得ません。

屈辱をバネにする力

谷川九段は自身が20~30代の頃に羽生七冠誕生を許すという屈辱を味わいながら、その後に何度もタイトルを獲得するなど羽生世代と大舞台で戦い続けました。40代の棋士にも、羽生竜王という圧倒的な存在に何度も苦渋を飲まされ、対抗心を燃え上がらせた経験は多いはずです。若手時代に抱いた感情が、谷川九段の発言によって呼び起こされたのかも知れません。

若手の勝率が高い近年の将棋界において、思わぬ形でベテランの奮起を引き起こした谷川九段の発言。藤井六段が羽生世代のトップ棋士や谷川九段と対戦する日がますます楽しみになりますね。

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