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王将戦舞台裏:ファンの人生を大きく変えた久保vs豊島戦

time 2018/04/02

久保利明王将が豊島将之八段を4勝2敗で下した第67期王将戦。激闘を繰り広げた両者でしたが、第3局が行われた栃木県大田原市では手を取り合って一人のファンの人生を大きく変えていました。


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「すごいプレゼント」

地方版の毎日新聞より:

第3局の前夜祭の会場。20~40歳代の男女3人が「久保利明王将、挑戦者の豊島将之八段のサイン入り色紙を入手したい」という。

将棋ファンだと思った。ところが、那須塩原市内の中学校の先生たちだった。「学校を休んでいる将棋好きの生徒が登校できるよう、励ますのに役立てたい」のだという。事情を知った両棋士は快く応じた。

色紙のプレゼントを受けた生徒は両棋士にお礼の手紙を書いた。

「2年前の夏から学校に行かない日が増えてしまいましたが、久しぶりに学校に行くことができました」

「友達が『すごいプレゼントがあるから学校に行こうよ』と連絡が来たためです。不安でしたが勇気を出して学校に行くことを決めました」。そして、生徒はこうしめくくった。「僕はこのサインをパワーに変えて頑張っていきたい」

毎日新聞

久保vs豊島戦の歴史

昨年度の両者の成績は久保王将が24勝16敗、豊島八段が44勝18敗でしたが、このうち実に8局が久保vs豊島戦でした(久保王将の5勝3敗)。両者は同じ関西所属ではありますが、昨年度の対局はタイトル戦と順位戦(及びプレーオフ)という所属に関係なく組まれた大勝負ばかりです。

豊島八段にとっては通算でも最も対戦数が多い相手が久保王将(久保王将の15勝13敗)で、過去4度のタイトル挑戦のうち2度は久保王将に敗れています。A級まで上り詰めた上で未だに7割近い通算勝率を維持している豊島八段が、後一歩のところでタイトルに手が届かずにいる大きな要因の一つが久保王将の存在だと言っても過言ではないでしょう。

4月3日には早くも今年度初対決

そんな両者が今年度最初に迎える対局が、奇しくもまた久保vs豊島戦なのです。棋聖戦2次予選を順調に勝ち上がった豊島八段が、決勝トーナメント1回戦のくじ引きで15分の1という確率の壁を越えて対久保戦を実現させてしまいました。

まだベスト16の対戦ではありますが、他の準々決勝進出者を見ると、昨年の名人戦に挑戦した稲葉八段以外はしばらくタイトル戦から遠ざかっている、もしくは挑戦経験がない棋士ばかりです。昨年度の活躍を考慮すると、久保vs豊島戦の勝者が挑戦者の最有力候補となりそうな状況で、新年度早々から大一番となりました。

トップ棋士同士の宿命とはいえ、今年も多くの対戦が予想される久保王将と豊島八段。豊島八段としては、今年度の行方を占う明日の対局で関西の偉大な先輩を倒し、初タイトル獲得に向けて勢いをつけたいところです。

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