2018/10/16
第66期王座戦決勝トーナメント1回戦、羽生善治竜王vs深浦康市九段の対局が本日行われています。
言わずと知れたA級棋士同士の好カードですが、本局ではそれ以上に勝者が準々決勝で藤井聡太七段との対戦が決まっているということが大きな注目を集めています。
羽生竜王は現在挑戦中の名人戦に加え、6月と10月にはそれぞれ棋聖と竜王の防衛戦が控え、王位戦でも挑戦者決定戦に進出していますが、最近ではさらに「Abema TV トーナメント Inspired by 羽生善治」という超早指しの新棋戦にも参加を表明されるなど多忙を極めておられます。王座戦でも勝ち上がると6月以降はとてつもないハードスケジュールが予想されますが、王座戦は昨年タイトルを失ったものの1992年以降は19連覇を含む26年連続でタイトル戦に登場している絶対的なホームグランドであり、一期での復位を狙っておられるはずです。
一方の深浦九段は、直近の対局で羽生竜王と藤井七段の両者に勝っている、恐らく唯一であろう棋士です。特に叡王戦での藤井四段(当時)との対局では、かなり苦しい将棋を持ち前の粘り腰で逆転に持ち込み、藤井四段が脇息に倒れ込むほど悔しがらせました。他棋戦でも最近は竜王戦2組決勝で敗れるまでは7連勝を記録するなど、こちらも弟子の佐々木大地四段が「師匠が勝ちすぎていて研究会をしてもらう時間がない」と語るほど好調を維持しています。
藤井七段との対局は、羽生竜王にとっては朝日杯準決勝の雪辱戦、深浦九段にとっては絶好調の俊英を返り討ちにするチャンスになります。どちらが勝ち上がっても準々決勝は大きな注目を集めることは必至ということもあり、本局も激戦が予想されます。
振り駒の結果、羽生竜王の先手となりました。
過去の通算成績は羽生竜王の46勝32敗です。