2018/10/16
第76期C級1組順位戦は14日に最終局が行われ、永瀬拓矢七段が宮本広志五段に勝ち、9勝1敗で自力昇級を決めました。既に昇級を決めていた千田翔太六段も最終局に勝ち、10戦全勝で今期を終えました。

佐々木勇気六段と高崎一生六段も勝利したため、9勝1敗でも昇級出来ない棋士が二人出るという非常にハイレベルな争いになりました。
永瀬七段対宮本五段の対局は、後手の三間飛車に対し、永瀬七段は銀冠へ。そこから巧みに居飛車穴熊へ組み替えた永瀬七段が作戦勝ちを収めると、自然な差し回しでリードを奪います。
先手玉にも火の手が上がっていますが、穴熊の遠さを活かして▲5五角が決め手となりました。△6四桂、▲同歩、△同角、▲8五桂で後手玉に詰めろが続く形となり、先手の一手勝ちが決まりました。
前々日に行われたばかりの棋王戦第3局では、永瀬七段としては珍しく不出来な内容で完敗を喫していました。しかし今期の順位戦では、持将棋指し直しの末敗れた初戦以外は総じて苦戦になった場面は殆どなく、順当に勝ち進んだ印象です。他棋戦での大活躍を見ても、来期B級2組でも昇級候補の筆頭となるのではないでしょうか。