2018/10/16
第44期棋王戦1次予選、藤井聡太六段vs古森悠太四段の対戦が本日行われます。
16連勝が止まった直後の、藤井六段の今年度初対局。昨年7月に29連勝が止まった直後の2か月は10勝5敗と、やや勝率が落ちた時期がありました。今年度は既に王座戦の決勝トーナメント進出を決めるなど、本格的にタイトル挑戦を伺えそうな勢いだけに、連勝が止まった直後の本局の内容に注目が集まります。
段位で上回り、プロ入りも早い藤井六段が上座に座りました。駒箱から駒を取り出し、王将を手に取ると一度自陣付近へ置き、軽く一礼し、改めて王将を手に取って定位置へ並べました。今年度は年上や先輩に対して藤井六段が上座につくシーンが増えそうですが、礼儀正しい対局姿勢はいつもながら好印象です。例えば対局開始時や投了時の一礼で、藤井六段が相手より先に頭を上げたシーンは殆ど記憶にありません。
過去の対戦成績は藤井六段の1勝0敗。前回の対戦では古森四段が四間飛車から速攻を仕掛けましたが、藤井六段が飛車を桂で取らせる驚きの受けの妙手を繰り出して快勝しています。
後手の技が決まったかに見える局面ですが、ここで▲5八金左(!)が非常に気が付きづらい受けでした。瞬間的に駒損するものの、後手は次の▲3九金の角取りを受ける手段がありません。持ち歩の差も大きく、角桂対飛車の交換の差以上に形勢に差が付いてしまった形で、古森四段としては力を発揮するチャンスを掴めませんでした。本日の対局では雪辱に燃えていることでしょう。