2018/10/16
朝日杯で棋戦初優勝を果たし、次はタイトル戦登場が待ち遠しい藤井六段。では、一年以内に大舞台へ登場する可能性はどれくらいでしょうか?
C級1組六段で、前年度の成績によるシードのない藤井六段の立場だと、タイトル挑戦までには各棋戦でこれだけ勝たなければいけません:
名人戦はまずはA級昇級が絶対条件で、最短でも4年後なのでここでは除外しています。
来年度は王位戦、棋王戦、叡王戦に注目
次に、特定の期待勝率を予選から本戦まで維持すると仮定して、タイトル挑戦を果たす確率を計算しました:
(王位と王将のリーグ戦は、それぞれ全勝か一敗なら通過、二敗以下は敗退と仮定しています)
予選が1次予選しかない棋戦(叡王、王位、棋王)や、本戦で一敗までは許される棋戦(王位、棋王、王将)が、勝率の高い棋士にとって有利に働いていますね。
ちなみに、期待勝率50%の平均的な棋士が、特定のタイトル戦で挑戦者になる確率は僅か0.5%未満です。当然ながら、タイトル挑戦がいかに凄い実績なのかが分かります。
1年以内のタイトル挑戦も十分可能
これらの確率を元に、特定の期間内に一度以上タイトル戦に登場する確率は以下の通りです:
今期の藤井六段の勝率はここまで83.6%です。もし現在の勢いを維持して期待勝率が80%だとすると、1年以内にタイトル挑戦を果たす確率は65%にもなります。
(注:実際にはいくつかの棋戦で既に敗退が決まっているので、厳密には「今後全ての棋戦に予選から1年間出場する」場合の確率です)
実際は、さすがにトップ棋士とばかり対戦することになる各棋戦の本戦でここまで高い勝率を維持出来るとは思えませんが、仮に(現実にトップ棋士とばかり対戦している)羽生竜王の通算勝率に近い70%だとすると、6割近い確率で3年以内にはタイトル戦へ登場することになります。
藤井六段の活躍を見ればタイトル挑戦が時間の問題なのは明らかですが、そのドラマが1年以内に見られることも十分あり得ることが、数学的にも裏付けられました。
最速で挑戦可能なのは、2次予選へ勝ち進んでいる王座戦です。挑戦まで、残り6勝です!