2018/10/16
第76期名人七番勝負第1局は、羽生善治竜王が佐藤天彦名人を97手で破り、白星スタートを切りました。
横歩取りの乱戦から形勢不明の終盤が長く続いた大熱戦でしたが、対局終了から僅か数時間後には佐藤天彦名人がツイッター上で感想を述べ、大きな話題を呼んでいます。
名人戦第1局羽生竜王戦。序盤から激しい戦いになりました。43手目▲64歩のあたりは、形勢は難解だと思いますが自玉の玉頭に手を付けられ実戦的にはまとめるのが大変なのかもしれません。46手目△65桂には▲58銀も有力ですが実戦は▲38玉。これには本譜のように馬を切って62手目△57馬まで進みます。
— 佐藤 天彦 (@AMAHIKOSATOh) April 12, 2018
ここで▲48銀と打たれた局面がまた難しかったです。△48馬から△68角も有力だったようですが、▲36銀に対して攻め切らないといけないのでこれはこれで大変そうです。本譜は一旦受けに回りましたが、77手目▲81飛が厳しかったです。ここは▲64桂だと、△42玉〜△34歩と脱出路を開けて難しくなります。
— 佐藤 天彦 (@AMAHIKOSATOh) April 12, 2018
77手目▲81飛以降は少し足りないと思います。ただそうなると、はっきりした敗因はすぐにはわからないという感じです。序盤から非常に難解な局面が続いた中では良く指せたほうかと思いますが、勝ちという結果にまでは至りませんでした。また頑張ります。
— 佐藤 天彦 (@AMAHIKOSATOh) April 12, 2018
棋士がSNS上でこれほど詳細に対局を振り返ること自体も珍しいですが、投稿されたのが2日に及ぶ激闘が終わった直後の深夜0時台で、かつ七番勝負が行われている最中であることにさらに驚かされます。もちろん戦術的に公開可能な範囲の情報なのでしょうが、ファンにとってはこれ以上ないファンサービスで、新世代の名人らしい姿勢には敬服させられます。今後もご自身にとって負担にならない範囲で続けて頂ければと思います。
例年以上に大きな注目を集めている今期の名人戦。第1局から非常に濃密な激戦が繰り広げられたことで、第2局以降もますます目が離せなくなりましたね。