2018/10/16
空前の大混戦となった今季のA級順位戦。史上初の6者プレーオフや、まさかの渡辺棋王の降級など、数々のドラマが生まれました。
しかし、将棋界にはともすればA級順位戦以上に重い対局があります。それが、プロ入りへの最後にして最大の関門、三段リーグ。最終17,18回戦が、順位戦の興奮が冷めやまない明日、3月4日に東京将棋会館で行われます。
今期は三段リーグも大混戦
16回戦を終えて、プロ入りを懸けた2枠の昇段争いにはまだ9名が可能性を残しています。
現実的には、5敗勢は甲斐三段以外は4敗上位の長谷部、池永両三段より順位が低いため、上位2名に食い込むことは難しそうです。しかし、来期の順位や次点(3位)の可能性を考えると、1局の重みは計り知れません。
(注:次点を通算2回獲得すると、四段としてフリークラスへ転入する権利を与えられます)
また、今期の上位陣には年齢制限(26歳)が近い方も多く、文字通り人生を決める一日となるかも知れません。
里見女流五冠の奨励会最後の対局も
16回戦で勝ち越し延長の望みが絶たれ、年齢制限による奨励会退会が決まっている里見女流五冠。奨励会最後の対局へ向けた胸中は伺い知れませんが、女流棋士として参加する男性棋戦での成績次第ではプロ編入試験への道も残されており、今後へ弾みをつけるためにも勝って有終の美を飾って頂きたいところですね。
A級プレーオフの陰で行われる三段リーグ最終局。藤井六段の29連勝と棋戦優勝、羽生竜王の永世七冠達成、史上初のA級順位戦6者プレーオフなど、異例の出来事が続いた今期の将棋界には、まだとんでもないドラマが待ち受けているのでしょうか。