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名指導者にして自身もB級1組昇級、畠山鎮七段とは?

time 2018/03/09

今期のB級2組順位戦は、野月浩貴八段が10戦全勝、畠山鎮七段9勝1敗の好成績でB級1組昇級を果たしています。共に最終戦を残して昇級を決めるぶっちぎりの展開で、ベテランが強さを見せつけた形となりました。


中でも畠山七段は、ここ数年は勝率が5割を切るなど低迷が続いていましたが、昨年降級したB級1組へ1期での復帰を果たした今期は往年の力強さが戻った感があります。48歳という年齢は、B級1組では谷川浩司九段に次いで上から2番目ですが、「鎮(まもる)は攻める」と言われた若々しい攻め将棋を来期も見せてくれそうです。

関西奨励会の名物幹事

そんな畠山七段は、関西奨励会の幹事を2001年から9年間務めていました。あいさつや礼儀作法にも厳しい熱血指導で知られ、現在20代から30代前半の棋士の多くは一度は雷を食らっているようです。

「奨励会員の8割5分はプロになれない。『あいつ、将棋ばかりやってたから常識がないな』という形で社会に送り出すのがいやだった。野球やサッカーでは、プロになれなかった学生が、『あんなに叱られて、そのおかげでがんばれる』という状況があるのに、将棋の世界は挫折感だけ。退会した子が、堂々と生きていけるような奨励会にしたかった」

(毎日新聞)

佐藤天彦名人(三段まで関西に所属)、菅井竜也王位、糸谷哲郎八段、豊島将之八段、稲葉陽八段など、現在の将棋界では関西奨励会出身の若手が続々とトップ棋士に上り詰めていますが、この一大勢力の誕生は畠山七段の指導と無関係ではないでしょう。

また、ネット中継などに出演した際の畠山七段はトーク力も超一流です。特に、かつての教え子達のエピソードを語り出した時は、指されている将棋を忘れて思わず聞き入ってしまいます。


現在では、共にスイーツ好きで知られる畠山七段と糸谷八段は、関西将棋会館の棋士室へどちらがよりおいしい差し入れを持参するかを競うライバル(?)でもあるそうです。 奨励会幹事時代の厳しい指導の裏に秘められた愛情も、当時の教え子たちに伝わっていたようですね。

来期は斎藤七段との師弟対決も実現

来期はB級1組順位戦で、弟子の斎藤慎太郎七段との対戦も組まれます。実は昨年畠山七段がB級1組から降級した際、入れ替わりにB級2組から昇級したのが斎藤七段でした。斎藤七段の奨励会時代から「一番長い持ち時間(順位戦)で指そう」と約束していたという畠山七段は、それを果たせなかったことを何度も悔やまれていましたが、見事に自らの実力で一年遅れの対戦を実現させました。

ちなみに、他棋戦ではこれまでに2回対戦していて、いずれも斎藤七段が勝っています。畠山七段はイベントでの非公式戦でも負けたことがあるそうで、そろそろ「恩返し」を阻止したいところでしょうか。

ただし、過去に関西の棋士が多数参加した10キロのマラソン大会では、48歳の畠山七段は殆どの若手棋士を打ち負かし、二回り年下の斎藤七段にも勝利したそうです。50代を目前にして再びB級1組へ這い上がる底力は、体力の充実にも支えられているようですね。

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