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三浦九段が稲葉八段に快勝し棋聖戦挑決進出!22年前の再現なるか?

time 2018/04/27

第89期ヒューリック杯棋聖戦決勝トーナメント準決勝、三浦弘行九段vs稲葉陽八段の対局は、三浦九段が101手で勝ちました。三浦九段は挑戦者決定戦で豊島将之八段と対戦します。


三浦九段(左)、稲葉八段。出典:日本将棋連盟

早くも差が開く

横歩取りの出だしから先手の三浦九段が青野流に構え、序盤から一側即発の展開となりました。

▲8四歩と飛車先を抑えた手に対して、稲葉八段は△2三金と催促しましたが、▲3三飛成、△同桂、▲8三角と進んでみると、次の▲6一角成と▲6六角~▲5六角成の両狙いが受けづらく、8三角と8二飛の働きの差が大きく早くも先手がリードを奪いました。

△2三金とあえて悪形を無視して上がったからには、△2三銀だと何か嫌な筋があったはずですが、個人的には先手がはっきり良くなる順は思い浮かびません。△2三銀に同じように▲3三飛成~▲8三角ならば、△7二銀、▲同角成、△同飛、▲8三歩成、△7一飛と辛抱しておき、本譜と比べると後手は玉形で明らかに得をしているためいい勝負だったと思います。

稲葉八段は居飛車なら何でも指しこなすタイプですが、昨年度の後手番の横歩取りでは5勝8敗と、稲葉八段の全体の成績(27勝19敗、後手番のみだと17勝13敗)と比べると苦戦されています。厳密には本局と違う形ではありますが、昨年の名人戦第5局で佐藤天彦名人の勇気流に一方的に敗れた印象も強く、本局も結果的には序盤で形勢を損ねた形となってしまいました。

全軍躍動

8筋の異様な配置から稲葉八段の苦心の様子がうかがえますが、辛抱を重ねた甲斐もあり先手が決定打を得るには至っていません。後手が神経を使う展開が続きますが、一例として△7二銀、▲8五歩、△2四飛、▲2七銀に△6四歩~△6三銀と8筋の駒をほぐしてチャンスを待っていれば後手も戦えました。

本譜は稲葉八段が△8七歩成と最も自然に見える一手を選びましたが、結果的には疑問手だったようです。▲8五歩、△2四飛、▲8七金、△2六飛と、後手が手順に先手の金を悪形にしながら飛車をさばいたようですが、そこでじっと▲4六馬と寄った手が味わい深い妙手でした。

次に▲2七歩があるため△2八飛成しかありませんが、▲6五桂、△7二銀、▲8六金と進み、先手が△8七歩成を逆用して左辺の駒を躍動させた形となりました。

トップ棋士の意地

先手の馬と角が中央を制圧しているのに対し、後手は遊んでいない駒を探す方が難しいような陣形を強いられています。形勢はかなり離れていますが、稲葉八段は△2一歩と鬼のような辛抱を見せます。受け一方になる非常につらい一手で、本局では実りませんでしたが、準決勝という大きな勝負で最後まであきらめない気迫を示した辛抱でした。ただし、逆説的にはこの手が印象に残るほど、本局の三浦九段の指し回しは相手に一部のスキも与えない完璧なものでした。

▲5三角を見て稲葉八段の投了となりました。後手玉は△4二歩と受けても▲3三歩で一手一手ですが、先ほどの△2一歩の局面と比べるとほぼ全ての駒を働かせて粘ったのは、稲葉八段のせめてもの意地でしょうか。

「応援にこたえたい」

一昨年には将棋ソフト使用疑惑に関する一連の騒動により、技術的なブランクに加え精神的にも大きなハンデを余儀なくされましたが、昨年度は6割を超える堂々たる成績を収めて改めて実力を示しました。

三浦九段は先月には東京新聞の取材に対し、「また大きな舞台に出ることで、応援にこたえたい」と力強く語っていました。奇しくも棋聖戦は22年前に当時の羽生7冠から初タイトルを奪取した縁起のいい棋戦でもあります。有言実行となる、4年ぶりの「大きな舞台」への登場まで、残すは挑戦者決定戦の対豊島八段戦のみです。

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